従業員が持っている知見や情報を業務改善に生かすに当たり、そのデータを集約し共有できる「ナレッジマネジメントツール」の導入は有効な手段の一つだ。主なナレッジマネジメントツール5個を紹介する。
業務から得た知見(ナレッジ)や情報を資産と見なし、組織として共有し業務に生かすことをナレッジマネジメントという。ナレッジマネジメントの基本を説明する本連載の後編は、Notion LabsやMicrosoftなどが提供する主要なナレッジマネジメントツールを5個紹介する。
「Notion」は、個人向けのナレッジマネジメントツールを企業向けに機能拡張したサービスだ。公開当初のNotionは、テキストや画像、表、ページといったコンテンツのかたまりである「ブロック」を使って、ホームページやアプリケーションを開発するためのツールだった。2016年以降は企業向けのツールとして、コラボレーション機能やセキュリティ機能を追加している。Notionはプロジェクト管理やドキュメントの作成、社内wikiへの利用が可能だ。
ユーザーインタフェースが使いやすく、製品開発のロードマップや企業Wikiなどを作成するための複数のテンプレートを用意していることがNotionの特徴だ。Notionを使い始めたばかりのユーザーでも、テンプレートを使えばナレッジの構築が可能になる。新しいコンテンツや文章を作成するための人工知能(AI)アシスタント機能も搭載している。
Microsoft SharePointは、継続的な更新を重ね、ナレッジマネジメントの関連機能やワークフロー管理機能を追加し続けている。PCやモバイル端末など、複数種類の端末間のコラボレーションを促進するさまざまなツールも搭載している。
WalkMeは業務アプリケーションの定着を支援するデジタルアダプションツールとして、各種業務アプリケーションの使い方やトラブルシューティングに関する情報を提供する。WalkMeを使えば、説明書やドキュメントを参照する必要はない。ドキュメントやアプリケーションの利用状況を改善するために、エンドユーザーが参照した情報を収集し、開発者と共有する機能も搭載する。
コンテンツやガイドを作成して、他のエンドユーザーと共有もできる。例えば平均作業時間の半分の時間でタスクを完了したあるユーザーが、実際に使用した手順やキーボードショートカットを他のエンドユーザーに共有できる。
EC(Eコマース:電子商取引)サイトを運営する企業向けに、共同作業とコンテンツ管理の簡素化を支援するのがYextの特徴だ。Googleの検索結果に表示されるナレッジパネル(製品や店舗の説明といった情報を表示する欄)、Facebookアカウントの情報などをYextで管理し、一括更新できる。問い合わせや苦情の表示や検索、業務アプリケーション間での情報共有も可能だ。
SalesforceやServiceNowといったサードパーティーベンダーが提供する業務アプリケーションと組み合わせて利用できるのがZoominの特徴の一つだ。
OpenAIが開発したLLM(大規模言語モデル)の「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)を組み込んだ「Zoomin GPT」という独自のチャットbot型AIサービスも利用可能だ。既存の製品データやファイル、チュートリアルの集約やコンテンツの作成を支援する。
各業務アプリケーションから集めたデータの中から必要な情報を、顧客接点となるシステムに提供する「Zoomin API」も利用可能だ。
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