社内に散らばる知見や情報を業務に生かす「ナレッジマネジメント」。その仕組みは、生成AIが台頭する昨今に至るまでにどう変わってきたのか。ツール選定の前に押さえておくべきナレッジマネジメントの基本とは。
「ナレッジマネジメント」は、従業員が業務の中で得た知見(ナレッジ)や情報を、組織全体の資産として共有し、業務に生かす手法だ。
1970年代、業務に関するさまざまな情報から知見を引き出し、それを組織の活動に活用する方法を模索する動きが起きたのがナレッジマネジメントの出発点だった。1980年代になると企業においてコンピュータ導入が広がり、蓄積した情報の管理や活用に一段と注目が集まるようになった。
その後もナレッジマネジメントツールはさまざまな進化を遂げ、以下のような役割を担うようになった。
ナレッジマネジメントツールにこうした変化が起きる中でAIチャットbot「ChatGPT」が登場し、テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)への関心が高まった。生成AIはナレッジマネジメントツールの機能や使い方をも変える可能性がある。
ナレッジマネジメントツール市場には幅広い用途に使えるツールに加え、業界の専門知識を管理するツールや、カスタマーサービス部門向けのツール、デジタルマーケティングに特化したツールなどがある。
Microsoftの社内ポータルサイト構築ツール「Microsoft SharePoint」をはじめ、ナレッジマネジメントに活用できるツールはドキュメント管理から発展し、検索機能やその他のオプション機能を充実させてきた。プロジェクト管理を通じて獲得した知見の体系化やカスタマーサポートの改善、アプリケーションに散らばる情報の統合を目的に開発された機能もある。
ナレッジマネジメントツールの中には、複数のドキュメントを相互に結び付ける機能や、組織内の知見をひも付けてグラフ構造で表すナレッジグラフという機能を搭載したツールがある。こうしたツールの一例として、Notion Labsの情報共有ツール「Notion」や、Yextの同名ツールが挙げられる。
デジタルアダプションツール(業務用アプリケーション定着支援ツール)ベンダーのWalkMeは、従業員や顧客向けにツールやワークフローの活用を支援するためのツールを提供している。
中編は、知識の共有とコラボレーションに焦点を当てた最新のナレッジマネジメントツールを紹介する。
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