ストレージコスト見直しの動き【第3回】
クラウドをやめられない原因「エグレス料金」と「オンプレミス回帰」の真相
クラウドサービスのコスト増大といった理由から、企業は改めてオンプレミスに目を向けている。しかし「オンプレミス回帰」は手間もコストもかかり、容易ではない。企業はどのような決断を下しているのか。
クラウドサービスの利用が広がってきた一方で、クラウドサービスのコスト増大といった理由から、オンプレミスシステムにデータを戻すことを検討する企業が出てきている。
ただしオンプレミスシステムにアプリケーションやデータを移行するのには手間がかかる他、データ移行で発生するコストがあるため、その決断は容易ではない。「オンプレミス回帰」を検討する企業は、実際にはどのような選択をしているのか。
脱クラウドを難しくする「エグレス料金」と「オンプレミス回帰」の真相とは
併せて読みたいお薦め記事
連載:ストレージコスト見直しの動き
クラウドにまつわる課題
ITコンサルティング会社Dragon Slayer Consultingの創設者兼プレジデントのマーク・ステイマー氏は、「オンプレミス回帰に踏み切るかどうかは、ケースバイケースで検討すべきだ」と話す。
特にステイマー氏が注意を促すのがコスト面だ。クラウドストレージからオンプレミスストレージにデータを戻す際、コストが増大しやすい。クラウドサービスから別のインフラへのデータ送信(エグレス)に料金がかかるからだ。
クラウドベンダーの中には、エグレス料金が増大することへの対策を講じるベンダーもある。2024年1月、Googleは同社のクラウドサービス群「Google Cloud Platform」(GCP)から離脱する際のエグレス料金が不要になるプログラムを発表した。ユーザーはプログラムに申請して承認を得た後、60日以内にデータを転送する必要がある。転送できなかった場合は再申請が必要になる。
とはいえステイマー氏によれば、オンプレミス回帰の流れは大きなものではない。「クラウドサービスからオンプレミスシステムに全てのデータを戻した企業の事例は、ほんのわずかしか目にしたことがない」と同氏は話す。代わりに、ミッションクリティカルなアプリケーションのみをオンプレミスシステムに移行して、クラウドストレージを重要度の低いデータの保管用や、バックアップ用に使用する企業が一般的だという。
ソフトウェアの評価サービスを提供するRealGoodSoftwareは、まさにこの取り組みを実施している最中だ。同社の創設者でCEOのブライアン・マクリンティック氏は、「重要なアプリケーションや機密性の高いデータはオンプレミスシステムに配置し、重要性の低いデータはクラウドサービスで管理している」と説明する。
次回は、実際にオンプレミスシステムにデータを移行した企業の例を紹介する。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
8
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
9
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
10
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー