アプリケーション開発の効率化に役立つ「サーバレスコンピューティング」が、幅広い業界から注目されている。その基本的な5つのメリットをおさらいする。
アプリケーション開発の効率化に役立つサーバレスコンピューティングは、近年さまざまな業界からの関心を集めている。本稿はサーバレスコンピューティングの基礎について、5つの具体的なメリットを通して解説する。
誤解されがちだが、サーバレスコンピューティングであってもサーバは使用する。ただし、サーバの設定や管理、定期的なパッチ(修正プログラム)の適用などはクラウドベンダーが実施する。これによって開発者はインフラ管理や開発リソース調達などの手間から解放され、コーディングに集中できるようになる。
サーバレスコンピューティングは多くの場合、従量課金制を採用している。使用したサービスに対してのみ料金を支払えばよいため、事前のリソース確保や、アイドル(休止)状態のリソースに対する支払いが不要だ。つまり、サーバレスアーキテクチャではリソースを無駄にすることなく、コストを節約できる。
サーバレスコンピューティングは、トラフィック(通信量)の変化に応じて自動的にリソースをスケーリングできる。イベントやセール時期など、予測できないトラフィックの増減にも柔軟に対処できるため、システムの応答性を安定させることができる。
インフラ管理の手間から解放された開発者は、コーディングに集中できるようになる。その結果、アプリケーションの開発速度が向上し、市場投入までの時間短縮につなげることができる。長期的には、サービス品質の向上や、より革新的な機能の実現にもつながる。
サーバレスアーキテクチャは、小規模のサービスを組み合わせて1つのアプリケーションを構築する「マイクロサービス」との相性が良い。個々のサービスを独立して開発、テストし、それぞれを自由にデプロイし、管理できるからだ。
サーバレスコンピューティング向けにさまざまなサービスを提供しているクラウドベンダーも存在する。例えば、データベースや機械学習などの機能だ。これらを活用することで、より多機能なアプリケーションの開発が可能になる。
次回は、サーバレスコンピューティングのデメリットについて解説する。
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