Windows版クラウドPC「Windows 365」と「Microsoft 365」の根本的な違いWindows 365の基本の基【前編】

Microsoftの「Windows 365」は、Windowsの“クラウドPC”が利用できるクラウドサービスだ。同じくMicrosoftのクラウドサービスである「Microsoft 365」と、Windows 365は何が違うのか。

2024年09月01日 08時30分 公開
[Robert SheldonTechTarget]

 Microsoftの「Windows 365」は、クライアントOS「Windows」のデスクトップ(OSやアプリケーションを操作する画面)をどこからでも使うことができるクラウドサービスだ。アプリケーションやOSをサブスクリプション形式で利用できるサービスとしては「Microsoft 365」もある。その根本的な違いを押さえておこう。

クラウドPC「Windows 365」と「Microsoft 365」は何が違う?

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 Windows 365は、Microsoftが「クラウドPC」と呼ぶ仮想デスクトップを提供するクラウドサービスだ。Windows 365には3種類のプランがある。どのプランでも各エンドユーザー専用のWindows搭載VM(仮想マシン)を利用できる点は変わらない。

  • Windows 365 Business
    • 最大で300ユーザーまでの中小企業向け
  • Windows 365 Enterprise
    • ユーザー数の上限がない大企業向け
  • Windows 365 Government
    • 米国政府機関向け

 Windows 365は、Microsoft 365とは何が異なるのか。Microsoft 365に含まれるオフィススイート「Office 365」のアプリケーションと併せてまとめると、Office 365とMicrosoft 365の概要は次の通り。

  • Office 365
    • 「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」といったオフィスアプリケーションを提供するサブスクリプションサービス
  • Microsoft 365
    • Office 365のオフィスアプリケーションに加えて、より広範な製品を提供するサブスクリプションサービス
    • プランによって異なるが、「Windows 10」や「Windows 11」、生産性向上につながる各種アプリケーションも対象

 「Microsoft 365 E3」といったMicrosoft 365の一部のプランは、法人向けのOSである「Windows Enterprise E3」を同梱する。

 Windowsを提供するという点で、Microsoft 365とWindows 365は似ているが、Windows 365はWindowsの仮想デスクトップを提供するという点で、利用形態の観点で根本的な違いがある。Windows 365ではWindows 10やWindows 11の仮想デスクトップの利用ができる。

 Windows 365の仮想デスクトップを、MicrosoftはクラウドPCと呼んでいる。インターネット接続を介して、どこからでもデスクトップを利用できるからだ。エンドユーザーはデスクトップ、アプリケーション、各種の設定、データを含めて、自身専用のWindows利用間環境にアクセスできる。

 Windows 365の仮想デスクトップには、Windows搭載のPCだけではなく、以下の通りモバイルデバイスを含めてさまざまなデバイスからアクセスできる。

  • Windows
  • macOS
  • Linux
  • Android
  • iOS

 クラウドPCにアクセスする方法は幾つかある。例えばクライアントアプリケーションの「Microsoftリモートデスクトップ」や、Webブラウザで接続するWindows 365のポータルサイトを介してクラウドPCにアクセスできる。


 後編は、Windows 365の各プランの違いを解説する。

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