Zoomが発表した新機能「Zoom Docs」は、AI技術を活用して会議の効率化を図るものだ。反復作業の削減や情報過多の解消を目指すZoom Docsは、具体的にどのような業務に役立つのか。
コラボレーションツールベンダーZoom Video Communications(以下、Zoom)は、チームの生産性向上とコラボレーション強化のためにAI(人工知能)技術を活用する方針を強めている。その一環で同社は、2024年8月に「Zoom Docs」の提供を開始した。コラボレーションツール群「Zoom Workplace」でどのような作業が可能になるのか。
ZoomがAIアシスタント「AI Companion」(当時は「Zoom IQ」)を導入したのは2023年9月のことだ。2024年4月には、AI CompanionをはじめAI機能(AI技術を活用した機能)を搭載したコラボレーションツール群としてZoom Workplaceを立ち上げた。
Zoom Docsは、AI Companionを用いて以下の作業を実行できる。
Zoom Docsの目的は、反復的な作業による時間の浪費の解消や、部門をまたぐ連携の促進など、現代の従業員が抱える課題の解決を支援することだ。「Zoom DocsでAI Companionを活用して会議の結果をドキュメントに変換することで、個人およびチームの生産性向上を支援できる」とZoomは説明する。
同社が提唱するコンセプト「AIファースト」は、AI技術を中心に用いてWeb会議に関するコラボレーションや文書作成を効率化し、エンドユーザーの業務を改善することを指す。AIファーストの設計を通じて、Zoomは以下が実現するようにZoom Workplaceユーザーを支援する。
新製品の発表に当たって、Zoomは「会議がZoom Workplaceの中核である」ことを強調した。同社はこれまでの経験を基に、会議の前と会議中、会議後のコラボレーションを強化することで、エンドユーザー同士が連携し、優れた実績を挙げられるようにすることを目指している。
Zoomによると、Zoom Docsの利点は、チームコラボレーションを変革し、会議の効率性を高めて良い成果を生み出すことだ
「Zoom Docsは、Zoom Workplaceのツールとして初めて、最初からAI技術を組み込んでいる」と、Zoomの最高製品責任者であるスミタ・ハシム氏は話す。Zoom Docsを活用すれば、エンドユーザーはZoom Workplaceで開催したビデオ会議の情報を速やかに文書やナレッジベースに変換でき、チームは有意義な仕事に集中できるようになるという。「全ての作業でAI Companionを利用できるZoom Docsは、『幸せに働く』エンドユーザーを応援し、余暇の時間を創出してもらうことを目的に開発された」とハシム氏は述べる。
以下にZoomが考えるZoom Docsの活用例を挙げる。
Zoom DocsはZoom Workplaceの有料ライセンスに含まれており、追加料金無料で利用可能だ。Zoom Workplaceのバージョンは、6.1.6以降であることが要件となる。無料の「ベーシック」プランでは、AI Companionなしで最大10点の共有ドキュメントと、無制限の個人ドキュメントを作成できる。「プロ」「ビジネス」「ビジネスプラス」「エンタープライズ」の有料プランにアップグレードすることで、Zoom Docsを含むZoom Workplaceアプリケーション全体でAI Companionを利用できるようになる。Zoom DocsのAI Companionは、ユーザーアカウント所有者と管理者が有効あるいは無効に設定可能だ。
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