ハイブリッドワークでのWeb会議を意義あるものにするには、全員がテレワークをしている場合とは異なる点に配慮する必要がある。Web会議をより良いものにするためのこつを紹介する。
テレワークとオフィスワークを組み合わせるハイブリッドワークの広がりを受けて、対面での会議とWeb会議を同時に実施するハイブリッド会議が浸透してきた。ハイブリッド会議は多様な働き方を許容できる会議手法ではあるが、オフラインとオンラインそれぞれの参加者のコミュニケーションが促進されないといった問題が発生することがある。どうすればハイブリッド会議を円滑に進めることができるのか。重要な5つの要素のうち、後編となる本稿は3つ目から5つ目を紹介する。
遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者のギャップを埋める対策の一つになるのが、映像と音声の高品質化だ。カメラやスピーカー、マイクのいずれの品質も重要だ。どこからでも音声の聞こえ方や顔の見え方が変わらないようにするのが理想となる。
高品質の映像と音声は、“あるのが望ましい”程度に考えてはいけない。業務の生産性に直接的に影響を及ぼすものになり得るからだ。映像や音声の質に問題があれば、参加者がストレスを感じたり、集中できなくなったりする。
会議室を設計する際は、遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者がスムーズにコミュニケーションできるように会議室を設計するのがよい。参加者の表情が見えづらい席があったり、遠隔の参加者から会議室の様子が十分に見えなかったりすることは、遠隔からの会議参加者の存在を想定していない会議室の設計だと言わざるを得ない。
遠隔からの会議参加者を想定しない会議室では、参加者が主体的に会議に参加しているとは感じづらくなる場合がある。会議の進行が会議室からの会議参加者主体で進むと、遠隔からの会議参加者は会議に参加しているという意識を持てなくなるためだ。
コラボレーションツールベンダーは、人物を自動で検出して撮影するインテリジェントカメラを会議室に複数台設置して、発言中の人物に焦点を当てたり、動的にカメラを切り替えたりする工夫をしている。オンラインホワイトボードを会議室に設置することも一つの手段になる。
Web会議ツールは、想定以上にさまざまな機能を搭載していることがある。その場合、従業員がそれらの機能を十分に使いこなせていない可能性がある。先進的な機能を使うべきかどうかを判断するのは、管理者の仕事だ。管理者はベンダーや業界アナリストの意見を聞きながら、使うべき機能を検討して、必要に応じてその機能を使いこなすためのトレーニングを実施する必要がある。
Web会議ツールを導入するだけでは、会議への主体的な参加を保証することはできない。遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者を想定して会議室を設計するなどして、全ての参加者が一体感を感じられるようにする工夫が欠かせない。参加者同士が自然に対等な立場で意見を交換できるようになるのが理想的だ。
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