対面×遠隔のWeb会議が「沈黙会議」になるのは会議室のせいだった?Web会議が円滑になる5つの要素【後編】

ハイブリッドワークでのWeb会議を意義あるものにするには、全員がテレワークをしている場合とは異なる点に配慮する必要がある。Web会議をより良いものにするためのこつを紹介する。

2024年09月30日 05時00分 公開
[David MaldowTechTarget]

関連キーワード

ビデオ会議 | Web会議


 テレワークとオフィスワークを組み合わせるハイブリッドワークの広がりを受けて、対面での会議とWeb会議を同時に実施するハイブリッド会議が浸透してきた。ハイブリッド会議は多様な働き方を許容できる会議手法ではあるが、オフラインとオンラインそれぞれの参加者のコミュニケーションが促進されないといった問題が発生することがある。どうすればハイブリッド会議を円滑に進めることができるのか。重要な5つの要素のうち、後編となる本稿は3つ目から5つ目を紹介する。

ハイブリッド会議を円滑に進めるための“5つのこつ”

3.カメラやスピーカー、マイクに投資する

 遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者のギャップを埋める対策の一つになるのが、映像と音声の高品質化だ。カメラやスピーカー、マイクのいずれの品質も重要だ。どこからでも音声の聞こえ方や顔の見え方が変わらないようにするのが理想となる。

 高品質の映像と音声は、“あるのが望ましい”程度に考えてはいけない。業務の生産性に直接的に影響を及ぼすものになり得るからだ。映像や音声の質に問題があれば、参加者がストレスを感じたり、集中できなくなったりする。

4.さまざまな会議の参加者を想定して会議室を設計する

 会議室を設計する際は、遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者がスムーズにコミュニケーションできるように会議室を設計するのがよい。参加者の表情が見えづらい席があったり、遠隔の参加者から会議室の様子が十分に見えなかったりすることは、遠隔からの会議参加者の存在を想定していない会議室の設計だと言わざるを得ない。

 遠隔からの会議参加者を想定しない会議室では、参加者が主体的に会議に参加しているとは感じづらくなる場合がある。会議の進行が会議室からの会議参加者主体で進むと、遠隔からの会議参加者は会議に参加しているという意識を持てなくなるためだ。

 コラボレーションツールベンダーは、人物を自動で検出して撮影するインテリジェントカメラを会議室に複数台設置して、発言中の人物に焦点を当てたり、動的にカメラを切り替えたりする工夫をしている。オンラインホワイトボードを会議室に設置することも一つの手段になる。

5.従業員がWeb会議ツールを使いこなせるように支援する

 Web会議ツールは、想定以上にさまざまな機能を搭載していることがある。その場合、従業員がそれらの機能を十分に使いこなせていない可能性がある。先進的な機能を使うべきかどうかを判断するのは、管理者の仕事だ。管理者はベンダーや業界アナリストの意見を聞きながら、使うべき機能を検討して、必要に応じてその機能を使いこなすためのトレーニングを実施する必要がある。

 Web会議ツールを導入するだけでは、会議への主体的な参加を保証することはできない。遠隔からの会議参加者と会議室からの会議参加者を想定して会議室を設計するなどして、全ての参加者が一体感を感じられるようにする工夫が欠かせない。参加者同士が自然に対等な立場で意見を交換できるようになるのが理想的だ。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 株式会社マヒト

名刺発注業務を効率化、柔軟なワークフロー構築が可能な名刺発注システムとは

名刺は日々のビジネスに欠かせないツールの1つだが、その発注に関する承認と管理は意外と手間のかかる作業であり、規模が大きくなるほど負担は増大する。そこで注目したいのが、柔軟なワークフローを構築できる名刺発注サービスだ。

製品レビュー NECネッツエスアイ株式会社

2分の動画で解説:外出先での電話環境を改善、雑音除去もできるクラウドPBXとは

外出時の電話対応では、取り次ぎや折り返しの手間に加え、周囲の雑音やノイズといった課題もつきものだ。これらを解決する手段として期待されるクラウドソリューションを取り上げ、実際の利用方法や活用効果を、動画を通じて紹介する。

製品資料 株式会社ジャストシステム

稟議/申請のデジタル化を推進、ノーコードで実現するワークフロー変革術

あらゆる領域でデジタルシフトが進む今、ワークフローにおいてもシステム化が加速している。その手段として注目されるのが、ITの専門知識がなくてもシステム構築が可能なノーコードツールだ。そのメリットや選定のポイントを解説する。

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

SharePointを活用している? Microsoft 365ユーザーなら押さえたい活用の秘訣

Microsoft 365に搭載されている「SharePoint」は活用できているだろうか。製品名は知っていても、その機能やメリットが分かっていないという声もよく聞かれる。そこで実際の活用事例を基に、活用のポイントを紹介する。

事例 日本ビジネスシステムズ株式会社

直感的な社内ポータルに刷新してアクセスが向上、千歳コーポレーションの事例

創立60周年を機に抜本的な働き方改革推進に乗り出した千歳コーポレーション。その一環として取り組んだ社内ポータルの刷新により、コンテンツへの直感的・迅速なアクセスを実現。情報共有やコミュニケーション活性化につながっている。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。