AI技術の進化に伴い、「人間の仕事が奪われるのではないか」と不安を抱くITエンジニアもいるだろう。これからAIに代替されにくいと考えられるITエンジニア職を紹介する。
人工知能(AI)技術の進化が目覚ましい。その活用の場は広がっており、例えば開発現場ではソースコードの生成やエラー検出にAIツールが使われている。それと同時に、「AI技術がエンジニアの仕事を奪うのではないか」という不安の声が上がっている。そこで専門家の意見を基に、「AIに代替されにくいIT系職種」を9つ厳選した。
本連載で紹介する9つのIT系職種は、以下4人の専門家の見解を基にしている。
ビジネスアナリストは、ITとビジネスの橋渡し役だ。ビジネス要件を理解した上で、データと技術を駆使して実用的なビジネスインサイトを提供する。ビジネスを改善するためには周囲を巻き込むことが欠かせないため、優れた対人スキルも求められる。
生成AIは、ビジネスアナリストよりも速くデータを処理できる。一方で、他者に共感を示したり、良好な人間関係を築いたり、人間の感情や会話の機微なニュアンスをくみ取ったりすることは苦手だ。ビジネスアナリストはこうした対人スキルを用いて、ビジネスニーズや企業の要望を理解できる。
ビジネスアナリストは、データの分析と可視化を中心とした幅広い技術スキルを持ち、一般的にビジネスインテリジェンス(BI)ツールの利用経験がある。それに加え、コミュニケーションスキルやプレゼンテーションスキルといったソフトスキルも必要だ。
AI時代において、企業はこれまでにないセキュリティリスクに直面している。ハッカーは攻撃プログラムの作成にAIツールを駆使するなど、その攻撃手法を日々進化させている。
このような背景から、企業は熟練のセキュリティエンジニアを必要としている。成功するサイバーセキュリティエンジニアは、AIスキルを身に付け、技術力の向上に取り組んでいる。こうした努力によって、リスクの検出や、システムが特定した脅威の調査をより効果的に実施できるようになる。
セキュリティエンジニアは、新しい技術を学び続ける必要があると同時に、組織のビジネス目標を深く理解することが求められる。これは、組織におけるセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を把握し、効果的に対策を講じる上で欠かせない要素だ。
エンドユーザーサポート担当者は、従業員にソフトウェアの使い方を教え、技術的な問題が発生した際のサポートを提供する。その目的は、従業員がツールを最大限に活用して、業務を効率的にこなせるようになることだ。
近年、職場で扱う技術やツールの機能は複雑化しており、従業員はその扱いに苦戦する傾向にある。従業員に対するマンツーマンでのトレーニングやサポートは依然として重要であり、対人スキルが求められるこの職種はAI技術による代替が難しい。
エンドユーザーサポートを目指す場合、IT関連の認定資格や学位を持っていることが望ましい。加えて、優れたカスタマーサービスのスキルを身に付けることも必要だ。この職種は、IT部門でのキャリアを目指すための入り口として位置付けられている。
次回は、AIには代替できないITエンジニア職9選のうち、4~6つ目を紹介する。
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