クラウドサービスのアプリケーションやデータをオンプレミスインフラに回帰する動きがある。とはいえ、ITインフラを変更することは容易ではない。実際にはどの程度の企業がオンプレミス回帰を決断しているのか。
クラウドサービスからアプリケーションやデータをオンプレミスインフラに戻す「オンプレミス回帰」については、さまざまな意見や調査結果がある。コストや規制を考慮してオンプレミス回帰を決断する企業は存在するが、オンプレミス回帰は頻繁に起きる現象ではないという見方もある。以降で紹介する調査結果から、オンプレミス回帰についてのまた新たな一面が明らかになった。
調査会社Andover Intelが2024年に441社を調査した結果、SaaS(Software as a Service)を除くクラウドサービスから、アプリケーションの少なくとも一部をオンプレミスインフラに移行したと回答した企業は12社で、全体の3%未満だった。
クラウドサービスはオンプレミスインフラに比べて、スケーラビリティ(拡張性)やレジリエンシー(障害や災害からの回復力)が優れる傾向にある。コンピューティングやストレージのリソースを、追加のハードウェアを購入することなく増やせるため、ピーク時に合わせた過剰なハードウェア投資を削減できる可能性がある。
しかし、クラウドサービスにデータを保存することは、データ主権(データの制御と管理に関する権利)の問題から適切でない可能性がある。データセンター間やクラウドサービスへのデータ転送料金が膨大になる恐れもある。実際、クラウドサービスの料金に不満を持つ企業は珍しくない。とはいえ、企業はオンプレミス回帰を決断する前に以下の内容を検討すべきだ。
次回はクラウドサービスの料金が高くなってしまう原因を解説する。
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