Amazonのクラウドソーシングサービス「Amazon Mechanical Turk」で2024年5月頃から、業務を請け負うユーザーのアカウント停止が相次いだ。何が起こったのか。
2024年5月頃から、Amazon.com傘下のクラウドソーシング(不特定多数の人が参加する仕組み)サービス「Amazon Mechanical Turk」(以下、MTurk)のユーザーアカウントが複数停止され、業務が進められなくなる事態が発生した。何が起こったのか。
MTurkは、「リクエスター」と呼ばれるユーザーが依頼した作業「HIT」(Human Intelligence Task)を、「ワーカー」と呼ばれる別のユーザーが請け負う仕組みだ。ワーカーはHITを完了すれば報酬を受け取ることができる。HITの内容は、データの加工や情報収集、文字起こしなどさまざまだ。
2024年5月頃から米国内の複数のワーカーがアカウント停止の通知を受信した。英ComputerWeeklyが複数のワーカーに取材したところ、アカウント停止はオンライン決済サービス「Amazon Pay」(エンドユーザーが報酬の受け取りとAmazon.comでの購買の両方に使用できるサービス)に関連しているとみられる。
ComputerWeekly があるワーカーから入手した通知には、オンライン決済サービス「Amazon Pay」のアカウントが停止していること、アカウントが正常な状態に戻るまでMTurkを使用することはできないことが記されていた。
ワーカーを支援する団体「Turkopticon」は2024年8月、アカウントの停止件数を把握するためのフィードバックフォームを公開。アカウント停止の通知を受けたワーカーからの申し出を集約し、2024年9月第1週までに数百人分のアカウントが停止されたことを把握した。
Turkopticonによると、アカウントの停止から数週間以内に数十人分のアカウントが回復し始めたものの、依然として停止しているアカウントもあるという(2024年10月2日時点)。同団体はアカウントの停止理由について、Amazon Pay側で何らかの障害が発生した可能性があると推測する。ただし、Amazon.comから十分な説明はなかったという。
英ComputerWeeklyは、最終的に何人のワーカーが影響を受けたのか、原因はシステム障害によるものなのか、Amazon.comに問い合わせた。
同社広報担当者のモンタナ・マクラーレン氏は謝罪の上、「当社はMTurkの問題にできるだけ早く対処し、サービスの運営方法、ワーカーやリクエスターへの情報共有の方法について改善に努める」と説明した。
一方、マクラーレン氏はTurkopticonが把握しているアカウント数は不正確だと反論した。停止したアカウントの問題は解決しており、リクエスターとワーカーの両方がMTurkのWebサイト「SERVICE HEALTH DASHBOARD」で状況を確認できるという。
ワーカーによると、アカウント停止の通知を受け取った後、MTurkで作業をしたり、報酬を受けたりすることはできなくなった一方、Amazon.comで買い物することは可能だったという。
アカウント停止について問い合わせた結果、Amazon PayとMTurkそれぞれの問い合わせ窓口をたらい回しにされたり、ワーカーとして作業を請け負うために新しいアカウントを作成するよう指示されたりしたワーカーもいた。
しかし、あるワーカーは「2つ目のアカウントを作成することはMTurkの利用規約に違反している」と指摘する。MTurkの規約によると、複数のアカウントを作成することは規約違反になる。Amazon.comがアカウントの停止理由として複数のアカウント作成を挙げたこともあると同氏は指摘する。
TechTarget.AI編集部は生成AIなどのサービスを利用し、米国TechTargetの記事を翻訳して国内向けにお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
トランプ大統領にすり寄ってMetaが期待する「ごほうび」とは?
Metaが米国内でファクトチェックを廃止し、コミュニティノート方式へ移行する。その背景...
「ファクトチェック廃止」の波紋 Metaにこれから起きること
Metaがファクトチェックの廃止など、コンテンツに関するいくつかの重要なルール変更を行...
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...