昨今、大手企業を筆頭として導入されはじめているオープンシステム。内部統制対策としても注目されています。しかし、その新世界と期待されているオープンシステムでも、マイナスの要因がないわけではありません。今回は、あえてその影の部分について着目してみました。
2007年2月10日付の日経新聞に、「システム障害 対応力強化」という特集記事が載っていました。NTTデータ、日本IBM、NEC、富士通、日本ユニシス、新日鉄ソリューションズの取り組み内容が記事になっていました。特に、内部統制上のリスク対策として「システム障害対応」と「開発委託先に任せてあるソフトの品質管理」が挙げられていました。IT業界では、景気回復のおかげで金融業界や政府関係からの受注が伸びています。そのような好景気の中で「システム障害 対応力強化」が記事になる背景として、一体、何が進行しているのでしょうか。日経新聞の記事は非常に前向きの内容ですが、筆者はかなり影の要因もあると見ています。
この点に関して、上記企業にかかわらずベンダー数社の幹部と話をするうちに、いろいろと深刻な問題があると思われる点に気付きました。それは単にITベンダーだけではなく、情報子会社も含む企業のIT部門にも全般的に見られる傾向と言えるかと思います。
筆者が少し深刻だと思うのは、若手のIT技術者が、追加開発を含む保守運用関連の業務にやる気を失っている点です。全くの新規開発業務であれば、若手のIT技術者にとっても結構楽しく、強い動機付けで業務に臨めるのですが、機能追加や保守、運用業務になるとそうはいかないようです。無論、このような保守、運用を若手が嫌う傾向は今に始まったことではなく、大型汎用機(レガシーシステム)全盛の時代からありました。しかし、高い信頼性が求められる金融業界や政府においてさえ、オープンシステムへの移行がスケジュールをさかのぼり始め、ようやく業界全体としてオープン化が最終段階に入ったと思われる現在、オープンシステムで機能追加を含む保守、運用業務に若手がやる気を失っているという傾向が見られます。
新世界と期待されるオープンシステムの一体、何が問題なのでしょうか。
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