IT管理者など1200人を対象にした2008年の課題についての調査で筆頭に上がったのは、ディザスタリカバリ、音声、セキュリティだった。
2008年はディザスタリカバリ、音声、セキュリティがIT管理者にとっての3大テーマになりそうだ。
TechTargetはネットワーク運営者、IT管理者、ネットワークエンジニア、コンサルタント、管理職など1200人の読者を対象に調査を実施した。
ネットワーク投資を押し上げる最大要因としてディザスタリカバリ/バックアップ対応を上げた読者は10%。データセンター建設やリニューアルを挙げたのは9%だった。
コンサルタント会社Forsytheのネットワークソリューション責任者ジョエル・ポガー氏は今回の調査結果について、自分が話をしたCIOたちの姿勢と一致していると話す。
「データセンターは平均すると、設立後18〜20年たっている」と同氏。その結果、電力、冷却などの仕組みが旧式になっている。データ生成は増える一方であり、さらにデータ保持を義務付ける法律も増える中、旧式化した設備の刷新は多額の設備投資を伴うにしても当然の状況になりつつある。
さまざまな形の音声導入でもネットワーク管理者は忙しくなりそうだ。調査では18%が、「2008年は音声とデータの統合によってルータとスイッチの購入が増える」と回答した。2006年は14%のネットワーク管理ニーズをこの分野が占め、最も大きな影響を与えた。
「2008年は音声関連の導入に最適な年になる」とポガー氏は言い、10年にわたって語られてきたネットワーク統合、仮想会議、オンラインコラボレーションや、それらによって実現できるコスト削減などが、ついに現実になり始めたと解説する。こうした技術には、Cisco SystemsのTelePresenceのようなハイエンド機能が含まれる。
「Forsytheではこれが市場で重要な位置を占めるようになるとは考えていなかったが、強い関心を示した人が非常に多かった」と同氏。
セキュリティも永遠の課題になっており、主な不安材料は外部からの脅威(回答者の14%)よりも、重要情報の保護(同28%)およびセキュリティとネットワークインフラへの統合(14%)へと移りつつある。
「『ハッカー』は以前ほど大きな問題ではなくなった。セキュリティの分野では、データ流出防止について口にするCIOが増えた」(ポガー氏)
特に、不満分子や悪質な従業員による内部からの流出と、社外秘情報に対するコントロールを失わずに従業員に必要な権限を与えるという難しい仕事に関する不安が強かった。
コンプライアンスに対する不安も強まっている(回答者の12%)。ポガー氏によると、もう1つの難しい分野はこれだという。訴訟に伴う開示請求では、さまざまな出所の幅広い情報を要求される可能性がある。こうした中、業界によっては必要であれば対象となる情報を一定期間集約し、利用できる状態にしながら保護しておくことを検討する必要が出てくるかもしれない。
アンケートの回答の中でポガー氏が疑問視している分野が1つある。ネットワーク帯域の利用だ。回答者の75%は2008年にかけて利用増加を予想している。マルチメディア利用とコミュニケーション統合の傾向を考えればこれはもっともだ。
しかしポガー氏は、企業の利用増加傾向がこのまま続くとは限らないとの見方だ。
「顧客として利用できる回線は限られている。帯域幅は増えないが、帯域幅の選択肢が増えるだろう」
2008年はWAN最適化技術が大きな人気になるだろうとポガー氏は予想し「ネットワークインフラに目を向け、経費が削減できる分野を探すことだ」と指摘した。
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