米Blue Coat SystemsのネスミスCEOがパケッティア買収後の戦略を説明。両社の製品群を整理し、社内外の広範なアプリケーションをWAN高速化の対象にしていくという。
プロキシ・WAN高速化製品を手掛けるブルーコートシステムズ(以下、ブルーコート)は7月17日、パケッティアの買収について記者説明会を開いた。これは、米Blue Coat Systemsが帯域管理ソリューションの米Packeteerを6月に買収完了したことを受けたもの。WAN高速化・セキュリティとトラフィック管理を軸に両社製品の統廃合を行う。
ブルーコートは、前身であるキャッシュフロー時代からプロキシ技術に実績のあるベンダー。キャッシュプロキシをベースに、セキュリティゲートウェイとWAN越しのアプリケーション通信を最適化するWAN高速化の機能を統合したアプライアンス「Proxy SG」シリーズが主力製品となっている。一方のパケッティアは、トラフィック監視やQoS管理などを提供するトラフィックシェーピング(WAN回線の帯域幅制御)のパイオニアとして、専用装置「PacketShaper」で市場を開拓してきた。両社はアプリケーションの高速配信の分野では従来競合関係にあった。
来日した米Blue Coat Systems社長兼CEOのブライアン・ネスミス氏は「(合併により)競争相手であるRiverbed TechnologyやCisco Systemsよりも優位に立てる」とパケッティア買収の背景を明かす。WAN高速化市場において、ブルーコート単独では20%のシェアがパケッティアとの合併によって30%になり、トップに躍り出た。合併でパケッティアのトラフィック可視化ソリューションを手に入れた新生ブルーコートは、包括的なアプリケーション高速配信ソリューションのベンダーを目指すという。
「他社のソリューションように、社内アプリケーションの高速化だけではもはや不十分だ。今後はSaaS(Software as a Service)に代表されるクラウンドコンピューティング、MySpaceやFacebookといったSNS、VoIPのようなリアルタイムアプリケーションなど、利用時期・形態が動的に変わるネットアプリケーションも高速化していきたい」(ネスミス氏)
ブルーコートは今後、「すべてのアプリケーションを高速にする」という方針の下、Proxy SGとPacketShaperの2つの製品ラインに沿って既存製品を統廃合する。具体的には、帯域管理/アプリケーション性能管理製品としてPacketShaperへの投資は継続し、WAN高速化・セキュリティゲートウェイの役割はProxy SG側に集約していく。これに伴い、「SkyX」「iShared」「iShaper」「Mobility」といったアプリケーション高速化機能を持つパケッティア製品は廃止となった。さらにパケッティアの管理ツール「IntelligenceCenter」から2つの製品群を統合管理できるようにする。両者の機能連携については、今秋に実現する予定だという。
オフィスを統合したブルーコート日本法人の代表取締役社長となった元パケッティア ジャパン社長の金城盛弘氏は、国内の製品販売・サポートについて「PacketShaperの販売は継続する。販路も変わらない。廃止するパケッティア製品のユーザーに対しては、3年間のサポート継続後、Proxy SGとのトレードアッププログラムを実施する」としている。
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