モバイルUCの導入効果を紹介する本連載。最終回では、モバイルUCの機能を実装するための具体的な製品を主要な要素に基づいて見ていく。
本連載の1回目と2回目では、ユニファイドコミュニケーション(UC)の定義とそのメリットを明らかにするとともに、固定・携帯融合(FMC)およびモバイルUCソリューションについて解説した。最終回となる今回は、これらの機能を実装するための製品を見ていくことにしよう。
UC市場、特にモバイルUCの市場は急速に拡大しつつあり、驚異的な勢いで次々と新しい機能が追加されている。このため、本稿では各製品の個別機能は取り上げないことにする。そういった分析は、すぐに時代遅れになってしまうからだ。また、一般にモバイルUC技術の価格はほかの機能との関連で設定されているため、モバイル機能の価格だけを抽出するのは不可能に近い。そこで本稿では、サプライヤーの主要カテゴリーおよび各カテゴリーのサプライヤーが提供している一般的機能を示すとともに、注目すべき機能の幾つかを紹介したい。
モビリティーのメリットは広く認識されており、広範なモバイルUCソリューションが選択肢として存在するというのは喜ばしいことだ(もちろん厄介なことでもある)。モバイルUCソリューションには、3つの主要な要素が含まれる。
ディレクトリ、統合型プレゼンスアプリケーション、API、各種のコミュニケーション機能とデータ共有機能にアクセスするためのユーザーダッシュボードで構成される。
UCソリューションを運用するための無線ネットワーク(携帯ネットワークまたはWi-Fi、あるいは両者の併用)で構成される。Wi-Fiと携帯ネットワークとの間でコネクションをハンドオフするソリューションの場合は、機能連携のためのモビリティーコントローラーが必要になる。
モバイルUCソリューションでは、ベンダーが提供する専用のクライアントソフトウェア製品を搭載したスマートフォンを使用するため、ユーザー用端末の選択肢が限られる。モバイルUCベンダーがサポートしていない端末にユーザーが慣れてしまっている場合、これは重大な問題になる可能性がある。
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