複数のコミュニケーションをIP上で統合し、コスト削減や生産性向上を実現するユニファイドコミュニケーション。だが効果が見えにくい上に期待したメリットも得られない――そう感じる企業も少なくない。何がいけないのか?
コスト削減でIP電話を導入したが、ユニファイドコミュニケーション(以下、UC)まで発展させる理由が見いだせない。IP電話ほど明確な効果が打ち出しにくいUCの国内市場は、昨今の経済状況も影響して沈滞気味だ。
IDC Japanが発表した「2009年 国内ユニファイドコミュニケーション市場 企業ユーザー調査」によると、VoIPシステム/サービスを利用する企業は2008年調査の平均回答から微増の55.3%で、ほぼ横ばい状態である。UCアプリケーションについては「プレゼンス機能」や「ユニファイドメッセージング」「PBXモバイル内線延長」などの機能に関心が集まり、やや上昇しているという。しかし、UCの各機能の導入状況を見ると、平均6割程度は「検討したが導入しなかった」「検討しなかった(導入もしていない)」と回答しており、導入率は決して高くないことがうかがえる。
IP電話システム構築の知識・技術を持った技術者の育成を支援する「IPTPC(IP電話普及推進センタ)」(※)のエバンジェリスト、竹井俊文氏は「IP電話をただ導入するだけでなく、利活用するソリューションとして考えなければ、その先にあるUCの価値が見いだせない」と指摘する。
※IPTPC:IP電話システム構築を実現するための知識・技術を持った技術者の育成をサポートする団体。2002年11月よりIP電話システムにかかわる技術者の早期育成を目的とした「IPTPC VoIP認定技術者制度」の運営を行っており、OKI、NEC、日立製作所、岩崎通信機、富士通、パナソニック システムネットワークスの6社が参加する。現在、IPTPCの資格保有者の数は1万6000人以上。
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