ブルーコートは主力のトラフィック管理製品「PacketShaper」のソフトウェアをバージョンアップした。Webコンテンツ評価サービスと連携してトラフィック識別力を向上させる仕組みを導入したのが特徴。
ブルーコートシステムズ(以下、ブルーコート)は11月18日、帯域制御装置「Blue Coat PacketShaper」(以下、PacketShaper)用ソフトウェアの新版やハイエンドモデルなどを発表した。「PacketShaperソフトウェア 8.6」では、識別するURLのグループ分けができ、ポリシー設定が容易になる。
PacketShaperは、ネットワーク上のトラフィックを可視化し、利用アプリケーション/コンテンツごとにトラフィックの優先付けや帯域保証を行うWAN管理製品。同ソフトウェア 8.6の新機能は、(1)クラウドサービスを利用したアプリケーション識別用シグネチャの更新、(2)Webコンテンツのグループ分け機能によるポリシー作成簡易化の2つ。
(1)は、クラウドベースのシグニチャ更新サービス「WebPulse」のコンテンツ判定を基に、識別可能なコンテンツ情報を随時更新する機能。ブルーコート製品のユーザーコミュニティーで共有・評価するWebコンテンツやアプリケーションの情報を、「SNS」「コラボレーション」「ゲーム」など80種類のカテゴリーに分類し、PacketShaperが持つシグネチャに反映することができる。(2)は、(1)によるカテゴリー分けに沿って、類似コンテンツに対して帯域制御のポリシーを一律に適用する機能で、ポリシーの新規作成や既存ポリシーの管理に掛かる手間を減らせるメリットがある。
また、同ソフトウェアを搭載した高性能モデル「PacketShaper 12000」は、PacketShaperシリーズのハイエンドに位置付けられる。下位モデルの2倍以上のスループット性能(500Mbps以上)を持ち、ISP向けの製品は130万のTCPフロー制御が可能。12月中に提供を開始する予定で、価格はオープン。
米Blue Coat Systems PacketShaper事業部ジェネラルマネジャーのトム・シェイ氏は、「業務外アプリケーションのトラフィック量が業務系のそれを超える時代において、帯域管理装置のコンテンツ識別能力のインテリジェント化は必須」と説明する。「例えば業務時間中のFacebookの利用は、コンテンツ次第で良い面も悪い面も併せ持っている。7000万ユーザーのコミュニティーによる膨大なコンテンツの格付けとカテゴリー分けは、企業の適応力を高め、IT担当者の負荷を最小限にする」(シェイ氏)
併せてブルーコートは、分析・リポート出力用の集中管理ソフトウェアの新版「IntelligenceCenter 3」をリリースする。PacketShaperソフトウェアの新機能に合わせてURLカテゴリー別分類に対応したリポート作成が可能になったほか、複数の管理者の役割によって利用する機能を細かく設定できるようにした。
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