日本IBMがハイエンド向けディクスストレージの新製品を発表。アーキテクチャの改良などでデータ転送速度が従来の4倍に向上した。
日本アイ・ビー・エム(IBM)は7月20日、ハイエンド向けディクスストレージの新製品「IBM XIV Storage Gen3」(以下、XIV Gen3)を発表した。米IBMが2008年に買収したイスラエルXIVの製品ラインである「IBM XIV Storage System」の第3世代に位置付けられる。アーキテクチャの改良などでデータ転送速度が従来の4倍に向上した。2011年9月8日から出荷する。
XIV Gen3は、モジュール追加で性能拡張が可能なスケールアウト型ストレージ。19インチラックに最大15モジュール搭載(最小6モジュール)でき、2TバイトのSASドライブを72基から180基まで搭載可能。実効容量は55Tバイトから161Tバイトまで。
XIV Gen3では、データを1Mバイト単位で分割してディスク内で平準的に配置する「データ自動分散アルゴリズム」を採用した仮想化グリッドアーキテクチャを搭載。並列処理によってパフォーマンス水準を保ち、ストレージ容量の効率化を図る。その他、シンプロビジョニングや遠隔ミラーリングなどのソフトウェア機能を標準で搭載している。
日本IBMのシステム製品事業 ストレージ事業部長 山崎 徹氏によると「全面的なコンポーネントの刷新によって、従来機種比で最大4倍の処理性能を実現できる」という。XIV Gen3では、内部バスをイーサネットからInfiniBandに変更して帯域幅を向上させ、最大キャッシュ容量を従来の1.5倍となる360Gバイトまで拡張した。さらに外部ポートはファイバーチャネル(FC)の転送速度を従来の2倍となる8Gbpsに対応し、iSCSIの最大ポート数を従来の3倍以上となる22ポートまで増設した。
これらの改良によって、BI(ビジネスインテリジェンス)やアーカイブなどの順次 読み込み処理を従来機比で最大4倍、データベースやメールサーバなどのトランザクション処理を最大3倍まで高速化できるという。山崎氏は「データ容量が多く、ワークロードが混在する仮想環境やクラウド環境に最適である」と説明した。
またXIV Gen3では、複数拠点に設置された最大64台のXIVを単一コンソールで管理可能で、QoS(Quality of Service)モニタリング機能や性能統計情報の表示を改善するなど、運用管理面も強化した。さらに、ディスク増設時の自動データ配置やディクス障害時のリビルド機能などで管理者の作業負荷を軽減する。
XIV Gen3の販売価格は、1億2155万3000円(実行容量55Tバイトの最小構成の場合、1年間の保守サポート料金を含んだ税別金額)から。
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