中堅・中小企業のBI導入はパッケージか、それとも自社開発かどちらの選択肢も一長一短

中堅・中小企業の場合、パッケージ化されたBI製品と、ExcelアドオンなどでBIを自社開発するのとどちらがよいだろうか。どの選択肢にも一長一短があるため、それぞれの長所と短所を見極め、的確な決断を下したい。

2012年07月05日 09時00分 公開
[Don Jones,TechTarget]

 中堅・中小企業(SMB)が自社の環境にビジネスインテリジェンス(BI)を導入するための選択肢は急速に広がっている。多くの企業の長年にわたる投資や開発を背景に、Microsoft SQL Serverの主要なBI技術は、よく理解されるようになり、コストも下がり、幅広い企業が選択できるものになっている(関連記事:マイクロソフトのビッグデータ対応、明かされたSQL Server 2012の新機能)。

 多くのベンダーが、小規模企業向けに“あらかじめパッケージ化された”BIシステムを提供している。米IBMの「Cognos Express」(関連記事:「Cognos 10」に見た、ビジネスアナリティクス(BA)を成長戦略に掲げるIBMの本気度)、独SAPの「BusinessObjects Explorer」(関連記事:インメモリ型DBやiPhone対応で「誰でも使えるBI」を目指した「SAP BusinessObjects BI 4.0」)、米SASの製品(関連記事:BIを超えた分析力を企業文化に根付かせる「SAS Enterprise BI Server」)など、さまざまな製品が中堅企業向けBI市場にひしめいている。また、DIY(Do It Yourself)のオプションも豊富に提供されている。例えば、その1つである米MicrosoftExcelアドイン「PowerPivot」は、包括的なBIシステムではない。だが、PowerPivotを使えば、組織として新しいシステム全体を実装しなくても、組織内の個々のユーザーが特定のBI機能を利用できる。

パッケージ化されたシステムを購入するか、自社でシステムを構築するか

 BIシステムはこれまで、実装するのに長い期間がかかるものだった。実装に2年を要したプロジェクトの話を聞いても、BIのベテランのほとんどは、全く驚かないだろう。あらかじめパッケージ化されたシステムであれば、はるかに迅速に立ち上げられる。また、コストも安くなることが多く、専門スタッフやコンサルタントの力を借りなくても運用に入れる。あらかじめパッケージ化されたBI製品の多くはサブスクリプションベースの価格で提供されており、高額な初期設備投資が不要だ。

 一方、DIYシステムは自社専用に設計される。それには一長一短がある。つまり、自社にぴったりの機能が手に入るだろうが、そのためには多くの時間を割いて自社のニーズを検討しておかなければならない。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

譁ー逹€繝帙Ρ繧、繝医�繝シ繝代�

製品資料 ジオテクノロジーズ株式会社

基礎から解説:「人流データ」の特徴から活用におけるポイントまで

人の動きを可視化した「人流データ」。屋外広告の効果測定や出店計画、まちづくりや観光振興など幅広い領域で活用されている。その特徴を確認しながら、価値のある分析・活用につなげるためのポイントを解説する。

事例 アルテリックス・ジャパン合同会社

データ処理の効率化に成功、ゼンリンマーケティングソリューションズの取り組み

ゼンリンマーケティングソリューションズでは、地図情報によるデータ分析作業を効率化するため、プログラミング不要のデータ分析ツールを導入した。同社はどのような製品を採用し、課題解決につなげていったのだろう。

製品資料 株式会社primeNumber

データ駆動型ビジネスの実践に向けた仕組み作り、何から始めてどう進める?

データ駆動型ビジネスへの転換は、多くの組織にとって喫緊の課題の1つだ。しかし、データが社内に分散している状況で実現するのは難しい。この状況を解消するには、データを統合し、データの分析と活用ができる基盤の構築が必要だ。

市場調査・トレンド 株式会社primeNumber

部門のサイロ化を解消、企業全体の収益を最大化する「RevOps」を構築する方法

企業が収益を最大化させるためには、分業体制の中で各部門が目標を達成するだけではなく、相互に連携することが重要になる。そこで注目されているのがRevOps(レベニューオペレーション)という仕組みだ。その実現方法を紹介する。

製品資料 テンスピン・マネジメント・コンサルタンツ合同会社

グローバル環境でのデータ統合と業務効率化を、スモールスタートで実現するには

グローバル競争力の強化において、データ活用は不可欠である。しかし、多くの企業が「情報の分断」「手作業の処理への依存」により、効率的なデータ統合と可視化を実現できずにいる。本資料では、この課題を解決した2社の事例を紹介する。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...