私物端末の企業利用(BYOD)やクラウド移行の流れを止めず、安全性を確保しつつ業務に生かす。その具体策として有望視されているのが「VPN」である。
米GoogleのGoogle AppsやBYOD(私物端末の業務利用)、Dropboxのようなプロシューマー(※訳注)ツールが台頭し、クラウドのデータやアプリケーションに対する熱気が高まる中、信頼性の高いVPNは、WANを存続させる道を何とか見いだそうとしている。
※訳注:プロシューマーは、プロフェッショナル(専門家)とコンシューマーを組み合わせた造語。プロフェッショナル仕様の高機能製品を使用するコンシューマーを指す。IT以外では、プロデューサー(生産者)とコンシューマーを合わせてプロシューマーということもある。
米国の地方銀行Needham Bankの情報技術担当副社長であるジェームズ・ゴードン氏は、多くのITマネジャーと同様、米MicrosoftやGoogleなどの最新のクラウドサービスに不信感を抱いている。厳格な規制が適用される金融機関の世界では、「うちのサーバじゃない」は「うちの問題じゃない」とはならないからだ。
だがゴードン氏は、従業員が個人で所有するiPhoneやiPad、Android端末などのモバイルデバイスの大群がオフィスに押し寄せてくるのを阻止しなかった。ゴードン氏はむしろ、従業員が持ち込むこうした最先端技術を擁するおもちゃに、世界中で人気を博すスマートフォンゲーム「Angry Birds」のハイスコアや子どもの写真と一緒に、クリティカルなビジネスデータを詰め込もうと取り組んできた。
そこでゴードン氏は、ITの伝統的な技術基盤の1つであるVPNに、ユーザーの不満を抑えると同時に生産性を向上させる新しいテクニックを幾つか組み込んだ。この取り組みにより、エンタープライズBYODのトレンドを快適に感じられるようになったという。
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