「デスクトップ仮想化インフラ(VDI)が手放せない」というほどVDIのメリットを享受している米小児病院。一体、何がそんなにすごいのか? そして、導入のきっかけとは?
仕事で使うITツールの変更は、ユーザーに大きなストレスを与えかねない。ITへの依存度が高い職場の場合はなおさらそうだ。しかし米小児病院Seattle Children's Hospitalのウェス・ライトCIO(最高情報責任者)兼上級副社長の場合は、そういった問題とは無縁だった。同氏の「顧客」、すなわちそれぞれ数十人いる医師、看護師、事務職員たちは、デスクトップ仮想化インフラ(VDI)の導入直後からその恩恵を享受し始め、やがてVDIなしで仕事をすることは考えられなくなったという。
第1のメリットは速度だった。デスクトップにログインするのにかかる時間は43秒で、再接続する時間はわずか15秒だ。そしてもう1つのメリットが利便性だ。ユーザーが必要とするあらゆる場所で、そして必要なときに、パーソナルデスクトップを利用できるのだ。最初の200台のVDI端末が同病院付属のBellevue外科センターに導入されると、救急科の臨床医たちは競うように同端末を利用し始めた。現在では約3900台の端末が運用されており、近いうちに集中治療室で最後の大規模配備が実施される予定だ。
「面白いことに、今では共用エリアにいるスタッフたちがVDI端末を探しながらPCの前を素通りしていくのだ」とライト氏は話す。「先週まで速いと思っていたものが、今週は遅く感じられるという状況になった。今では、ログインに時間がかかり過ぎるという不満を口にする人もいるくらいだ」
いずれにせよ、ユーザーには新たな驚きが待ち受けているようだ。同病院では間もなく、「VDI 2.0」(訳注:次世代のVDIを意味する比喩的表現)に移行する予定だ。これにより、ログイン時間が約13秒に短縮される見込みだ。
Seattle Children's Hospitalのデスクトップ仮想化プロジェクトを推進する原動力となったのは速度だ。素早く情報にアクセスできることが重要だという企業は少なくないが、同病院の場合は、それが文字通り生死にかかわる問題なのだ。
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