今分かっている「Windows 9」の全て、スタートメニュー復活に高まる期待提供時期、製品構成、価格など気になるうわさを整理

Microsoftの次期OSとされる「Windows 9」について、さまざまなうわさや臆測が飛び交っている。「Threshold」という開発コード名が分かっているのみで、現時点で確実な情報はない。本稿では、今分かっているWindows 9の内容を整理する。

2014年07月25日 08時00分 公開
[Robert Sheldon,TechTarget]

 米Microsoftの次期OS「Windows 9」について、現時点で確実な情報はないに等しい。Windows 9というブランド名も確定ではない。分かっているのは「Threshold」という開発コード名だけだ。これは、次世代のWindowsを言及するものだといわれている。

 それにもかかわらず、Windows 9については既に多くのうわさが広まっている。例えば、OSの提供時期、製品構成、価格に関してだ。さらに、臆測はスタートメニューの復活にまで及ぶ。Windows 9に搭載されるアプリケーションやクラウドとの親和性に関するものもある。

 本稿では、さまざまなうわさや臆測の中から目立ったものを取り上げ、その内容を整理する。

気になる提供時期、製品構成、価格は?

 Windows 9の発売時期については、2014年後半から2015年内までと幅広い意見が飛び交っている。

 その中でも、2015年4月の提供開始が最も有力とされている。これは、Microsoftが実際に計画しているスケジュールだろうか。それとも単なるユーザーの願望だろうか。開発に着手したのは最近のはずだ。開発作業の進行具合や進捗状況は分かっていない。開発計画の全体像、Windows 9の方向性も定かではない。

 だが、Microsoftのオペレーティングシステム部門は、Windowsのリリースプロセスを早めようとしているもようだ。最近では、「Windows 8」が2012年10月、「Windows 8.1」が2013年9月にリリースされている。その後すぐに、Windows 8.1のアップデートがリリースされ、2つ目のアップデート(Windows 8.2となるか)にも着手していると思われる。

 Windows 9の提供開始はそう遠くないかもしれない。ただ、Windows 9に搭載される機能は、従来よりも短い期間で開発作業が間に合うものに限られる可能性がある。オペレーティングシステム部門は、同社のモバイルOS「Windows Phone」と同様に、より短いサイクルでOSをリリースすることを目指している。そう考えれば、2015年4月にWindows 9を提供開始することは不可能ではない。

エディション構成は現行と同じか

 Windows 9のパッケージ製品構成はどうなるのだろうか。Microsoftでは、一般消費者とOEMパートナー各社に提供する製品エディション(SKU)の再編成を計画しているようだ。しかし、実際にどのような構成になるのかを推測するのは難しい。

 最新デスクトップOS「Windows 8.1」のエディション構成を基本とし、新たな選択肢が追加される可能性がある。現在は、「Windows 8.1」「Windows 8.1 Pro」「Windows 8.1 Enterprise」のエディション構成で展開されている。

 また、サブスクリプションベースのライセンス形態に移行するといううわさもある。サブスクリプションの種類によって提供される機能が異なる。上位の月額モデルになると企業向けの機能が得られる仕組みだ。

Windows 9は無料? 有料?

 次に気になるのが、Windows 9の価格だ。さまざまなうわさや臆測の中でも、特に分からないのが価格に関してである。SKUの変更やサブスクリプションベースモデルの導入といった可能性を考慮すると、さらに難しくなる。Microsoftは、Windows 8の時代を断ち切ろうと考えている。そのため、少なくともアップグレード価格は安価になると予想される。

 うわさの域を出ないが、一部のエディションやサービスは無料で提供される可能性もある。Windows Phone版は無料となり、デスクトップOS版は有料のままという説、一般消費者には無料、OEMには有料で提供されるという説、またその逆の説もある。アップグレード版が無料で、スタンドアロン版は有料という見方もある。

 価格面については、非常に多くの情報が飛び交っており混沌とした状況となっている。

スタートメニューの復活

 Windows 9に関して、比較的自信を持って断言できるのは、スタートメニューの復活が予定されていることだ。現に、開発者向けカンファレンス「Build 2014」で披露されたOSのプロトタイプでは、Windows 8.1の次期アップデートで新しいスタートメニューが導入されることが示唆された。このプロトタイプと全く同じスタートメニューがWindows 9に導入されるかどうかは分からない。だが、Microsoftは、多くのユーザーがスタートメニューの復活を切望していることを認識しているに違いない。

 しかしながら、Windows 7のスタートメニューがそのまま採用されるわけではないだろう。Windows 9のスタートメニューには、ライブタイルなど「Modern UI」の要素が盛り込まれるはずだ。検索機能やインターネットとの親和性も向上することが予想される。最終的な製品がどのような状態になるかは未知数だ。だが、古いものと新しいものを融合した製品になる可能性は高いだろう。

 「各種デバイスの特性を考慮しながら全てのWindowsデバイスで統合されたエクスペリエンスを実現するOS」というMicrosoftが掲げる大きな戦略に、新たなデザインのスタートメニューがどのように合致するのかは見ものだ。有力とされるうわさによると、タッチスクリーン対応のスマートデバイスと従来型のPCではスタートメニューの動作が異なるという。マウスとキーボードでしか操作できないデスクトップPCでは、従来のスタートメニューが取り入れられるのだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€驛「譎擾スク蜴・�。驛「�ァ�ス�、驛「譎冗樟�ス�ス驛「譎「�ス�シ驛「譏懶スサ�」�ス�ス

製品資料 Splunk Services Japan合同会社

金融サービス業界必見:リスク管理やコンプライアンス対応を強化するアプローチ

DXの推進に伴いデジタル化が加速する金融サービス業界。しかし、それに伴いコンプライアンス対応が課題になっている。規制が頻繁に変更され、サイバー脅威が高度化する中で、どのように対策を進めればよいのだろうか。

製品資料 Splunk Services Japan合同会社

金融サービス業のコンプライアンスを取り巻く現状と、克服すべき課題とは?

世界各国で、金融サービス業に対する正常性を保つための要求が厳しさを増し、それに伴い規制状況が急速に変化している。企業がこの状況に対応し、事業を継続するためには、複雑化したコンプライアンス環境の整備と改善を急ぐ必要がある。

製品資料 Splunk Services Japan合同会社

金融サービス業において、不正防止策への投資が収益要因となり得る理由とは?

金融サービス業において、しばしばコストセンターと捉えられる不正防止策への投資。しかし、CISOが企業としての収益を維持しつつ、金融犯罪や不正行為を防ぐことができれば、その投資はむしろ収益を生む要因となり得るだろう。

製品資料 株式会社ジャストシステム

組織に悪影響をもたらす属人化、ノーコード開発ツールを活用した解消方法とは

業務効率の悪化や事業成長の阻害の要因にもなる「属人化」。その解消に向けさまざまな取り組みが実践されている。代表的な解消方法に潜む課題を確認しながら、ノーコード開発ツールを活用したナレッジ共有の仕組みづくりの方法を紹介する。

事例 株式会社ジャストシステム

需給管理におけるシミュレーション精度を、「昭和産業」はどう向上させたのか

正確な需給管理を行うには、非効率なデータ活用環境を改善してシミュレーション精度を向上させることが不可欠だ。ノーコードのクラウドデータベースを導入し、毎月の入力作業の大幅削減を実現させた「昭和産業」の取り組みを紹介する。

驛「譎冗函�趣スヲ驛「謨鳴€驛「譎「�ス�シ驛「�ァ�ス�ウ驛「譎「�ス�ウ驛「譎「�ソ�ス�趣スヲ驛「譎「�ソ�スPR

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

今分かっている「Windows 9」の全て、スタートメニュー復活に高まる期待:提供時期、製品構成、価格など気になるうわさを整理 - TechTargetジャパン 経営とIT 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

TechTarget驛「�ァ�ス�ク驛「譎「�ス�」驛「譏懶スサ�」�趣スヲ 髫エ�ス�ス�ー鬨セ�ケ�つ€鬮ォ�ェ陋滂ソス�ス�コ�ス�ス

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。