「ビールはうまいが経営はいまいち」、そんな地ビール企業を救ったのは?クラウドERPに乾杯

クラフトビール(地ビール)分野で存在感を増していた米新興企業が、業務プロセス管理の不備で失速の危機に陥った。その状況を好転させたのが、社外から引き抜いたCFO兼COOが導入した「クラウドERP」だ。

2014年08月20日 12時00分 公開
[Christine Parizo,TechTarget]

 どんな企業であれ、利益率と業務コストの見通しが甘ければ経営危機に陥るのは必定だ。米Golden Road Brewingは、競争が激しいクラフトビール業界で有望視されている新興企業である。だが業務プロセスの管理がずさんだったために、華々しいデビューに急ブレーキがかかりかねない状況に追い込まれていた。

 Golden Roadは、米ロサンゼルスを中心とした市場向けに缶入りクラフトビールを販売する目的で2011年に設立された。2013年には出荷量が年間1万8000バレル(約2150キロリットル)に達し、クラフトビール業界で最も急速な成長を遂げた企業の1社として数えられるまでになった。同社はクラフトビールを地元の卸売業者と店舗に販売するだけでなく、人気の高い地ビールパブの経営も手掛けている。

 2013年、「Budweiser(バドワイザー)」で有名な米ビール会社大手のAnheuser-Buschから、ポール・バージス氏がGolden Roadの最高財務責任者(CFO)兼最高執行責任者(COO)として引き抜かれたとき、Golden Roadの製品はコンシューマーの間で人気が高かった。にもかかわらず、バックエンドの業務プロセスが確立していなかったために、この成功にかげりが見え始めていたという。

醸造長でも「製造コストが分からない」

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