サードパーティーベンダーに与える影響は未知数
サードパーティー製ツールはもういらない? 安価なログ収集を実現するAWS「CloudWatch Logs」の影響力
Amazon Web Services(AWS)に導入された「AWS CloudWatch」のLogs機能は、IT担当者が「Splunk」「Loggly」「Logstash」などの高価なサードパーティー製ツールを見限る理由となる可能性がある。
米Amazon Web Services(Amazon)は、クラウドサービス「Amazon Web Services」(AWS)で提供する監視サービス「AWS CloudWatch」(CloudWatch)に新機能「Amazon CloudWatch Logs」(Logs)を追加した。管理ツールなどを提供するサードパーティーベンダーに与える影響は計り知れない。
CloudWatchでは、「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)のインスタンスからCPU使用率やデータ転送、ディスクの使用状況といった情報を記録する。記録データは、AWSのコンソールにグラフ形式で表示される。しかしながら、EC2のインスタンスでは、その他にもさまざまな処理が行われており、そのデータを収集するのは手間の掛かる作業だ
「Loggly」や「Logstash」「Splunk」といった代表的なログ収集ツールのエコシステムは、そうしたCloudWatchに不足する機能を補うために進化してきた。
Logs機能は、CloudWatchの基本機能を増強する試みだと、米Cabot Researchでソフトウェアエンジニアを務めるブライアン・ターボックス氏は見ている。Logs機能は、EC2などのAWSサービスのログファイルを監視し、スケーラビリティの高い「Amazon Kinesis」(Kinesis)にデータを格納する。CloudWatchのLogs機能は、2014年7月上旬に開催された「AWS Summit」で発表された。
例えば、IT管理者は、ログファイルを解析することで、潜在的なパフォーマンス問題やセキュリティの懸念に関するパターンを検出するのに役立てることができるだろう。CloudWatchにログ記録の機能が追加されたことで、AWSプラットフォームで発生するあらゆる事象を監視することが可能になるかもしれない。
CloudWatchのLogs機能は、サードパーティー製ツールの機能には及ばないという声もある。だが、IT担当者の注目を集めているのは事実だ。
米金融サービス会社でアプリケーション開発マネジャーを務めるエリアス・カマラス氏は、次のように述べる。「AWSはログを処理して何らかの方法で対策を講じやすくしている。高度な機能を備えたサードパーティー製品と比べると、現時点ではCloudWatchのログ記録機能は、ごく基本的なものに見える。ただし、CloudWatchに関する通知はチェックすべきだろう」
単一の管理プラットフォームを使用することが魅力的だという声もある。
米Global Link Communicationsでインフラエンジニアを務めるミヒャエル・シャベルト氏は次のように話す。「CloudWatchは検討に値する。Amazonにとって最大の利点は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)から既にログを取得していることだ。最初のハードルは高くない」
けん引力を巡るサードパーティー製ツールの戦い
CloudWatchのLogs機能が、Splunkなどのサードパーティーベンダーに与える影響は未知数だ。
「CloudWatch(の動き)を快く思わないベンダーもあるだろう。例えば、Splunkだ。このようなベンダーはCloudWatchから離れていくだろう」と通信サービスプロバイダーの米MicroserveでCEOを務めるハロルド・ボンディ氏は指摘する。
AWS Summitに参加していたSplunkの社員から、この件に関してコメントは得られなかった。
CloudWatchのLogs機能と比較すると、サードパーティー製の監視ツールは扱いにくく、費用も掛かる。
例えば、LogglyのStandard版では月額49ドル/1Gバイト、Pro版では月額349ドル/7Gバイトの使用料が掛かる。一方、AWSのCloudWatchのLogs機能は、最初の1カ月は5Gバイトが無料で利用できる。それ以降は従量課金制で、Ingestedログは1Gバイト当たり0.50ドル、Archivedログは1Gバイト当たり0.03ドルだ。
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