Microsoftの次期OS「Windows 10」について、テクニカルプレビューのビルドの更新を通じて新機能をチェックした。「Windows 7」や「Windows 8」と比べてどこが違うのか。
米Microsoftの次期OS「Windows 10」は数カ月前からテクニカルプレビュー版が提供されており、最新版のビルドが公開されたところだ。昔からのWindowsユーザーはWindows 10に何を期待できるのだろうか。デスクトップと企業での利用を重視したWindows 10の新機能のうち、「Windows 7」や「Windows 8.1」から移行するユーザーがすぐに気に入るであろう興味深い機能を幾つか確認しておこう。
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Windows 10には、従来のWebブラウザ「Internet Explorer」(IE)のアップデート版(ポイントリリース程度のもの)とともに、新しいWebブラウザ「Spartan」(コードネーム)が含まれる。SpartanはMicrosoftが特別に結成したプロジェクトチームにより開発されている新しいブラウザであり、開発は現在第3フェーズにある。Spartanの狙いはまだ正式発表されていないが、業界観測筋によると非常に興味深い機能が幾つか搭載されるようだ(最新ビルドにはまだSpartanは含まれていない)。
Spartanが起動してアクティブな状態にあれば、画面やキーボードに触れなくても、「戻る」「進む」「このページをホーム画面に」「お気に入りに追加」などの操作を音声コマンドで実行できる。Windows 10には実際、さらに多くのさまざまな音声制御機能が搭載される見通しだ。
詳細はまだあまり定かではないが、この機能は特にWebデザイナーにとって便利なものとなりそうだ。ユーザーはSpartanを最大4つのミニウィンドウに分割し、それぞれ異なるレンダリングエンジンを使って、同じWebページを4種類に表示できる。例えば、IEの他、「Firefox」「Chrome」「Safari」の各ブラウザで、自分が作成したページがどのように表示されるかを一度に確認するといった使い方が可能となる。
Windows 10には、米Appleの「Siri」のような音声アシスタント機能「Cortana」が搭載される。普段の声でデバイスに話し掛けるだけで、各種のコンピュータ操作の他、質問、Web検索、アポイント管理、リマンダーなど、さまざまな機能を実行できる。
Microsoft Xbox 360のゲーム「Halo」にちなんで名前が付けられたCortanaは、明らかにSiriよりも機能が豊富だ。多くのアプリケーションと連係し、開発者はAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使用して機能を拡張することができる。Cortanaは、Windows 10の新機能の中でもユーザーから注目を集めるだろう。
企業のIT部門が基幹業務アプリケーションとカスタムプログラムを修正すれば、Cortanaを利用できるようになる。この点は、現場作業員などマルチタスクが求められるワーカーにはありがたい。
ナレッジワーカーにとって非常にうれしいことに、Windows 10ではスタートメニューが復活する。Windows 7のスタートメニューと全く同じというわけではないが、アプリケーションを起動したり、検索を実行したりする場所としては理にかなった、フルスクリーンではないデザインで復帰する。
恐らく最も重要なのは、スタートメニューからログオフや電源オフができるようになることだ。これはWindows 7ユーザーが最も快適に感じるWindows 10の新機能となるだろう。一方、Microsoftにとっては、企業顧客を取り戻し、Windows 7からの移行を促すための大きな譲歩であったはずだ。
Windows 10は、スマートフォンからタブレット、ノートPC、デスクトップPC、サーバなどさまざまなデバイスで動作する単一のOSとして、一から作られている。
複数のプラットフォームを1つのOSに集約する取り組みの一環として、Microsoftは「Continuum」と呼ばれる機能を準備中だ。ユーザーがどのタイプのデバイスを使用中かによって、ユーザーインタフェースを切り替える機能だ。
例えば、Windowsタブレットや「2-in-1」型ノートPCを使用中のユーザーがキーボードやマウスを取り外すと、画面表示がModern UI(旧Metro UI)に切り替わり、タスクバーなど、マウスとキーボード向けの機能は非表示となる。
SurfaceやUSB接続によってキーボードが再び装着されると、画面はModern UIから従来のWindowsデスクトップに切り替わる。この機能がしっかり実装されれば、企業ユーザーにとっては非常に魅力的な機能になるはずだ。同じ1台のコンピュータでも、仕事に使う場合と、出張中や自宅、出先で使う場合とで、異なるユーザー体験を得られる。
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