2015年は「Windows 10」の年となるのか? 気になる正式版の登場時期Windowsの動向で振り返る2004年と2015年予測

2014年4月の「Windows XP」のサポート終了はまだ記憶に新しいのではないだろうか。にもかかわらず、2015年7月には「Windows Server 2003/2003 R3」のサポート終了が差し迫っている。Windowsの動向から2014年を振り返り、2015年を予測する。

2014年12月26日 12時00分 公開
[TechTargetジャパン]

13年の歴史に幕 Windows XPのサポート終了

 2014年前半は米MicrosoftのクライアントPC用OS「Windows XP」のサポート終了問題が大きな注目を集めた。2014年4月9日(日本時間)以降、Windows XPのサポートとセキュリティ更新プログラムの提供が終了し、それによってセキュリティリスクの高まりなどが声高に叫ばれた。

 Windows XPのサポート切れに伴い、多くの企業ではOS移行が大きな課題となった。OSの移行先として、「Windows 7」と「Windows 8.1」のどちらを選ぶべきか、タブレットを導入するべきか、レガシーシステムとの互換性の確認など、検討課題は多岐にわたる。

 2014年第1四半期は、低迷を続けるPC市場において“Windows XP特需”により、PC出荷台数が大幅に増加した。IDC Japanによると、同四半期のPC市場は前年同期比32.8%増の547万台を記録したという。なお、2014年第3四半期は特需の反動と家庭市場の冷え込みの影響を受け、前年同期比19.9%減の304万台にとどまったとしている。

 その一方で、「Windows XPでしか動作しない基幹アプリケーションの存在」などが原因で、いまだに同OSを使い続けざるを得ない企業もいるだろう。その状況はさておき、サポートのないOSを使い続けることのリスクをあらためて問い直してほしい。

 さらに、2015年1月13日(米国時間)にはWindows 7のメインストリームサポートが終了する(延長サポートは2020年1月14日まで)。Microsoftによると、無償サポート、仕様変更、新機能のリクエスト受け入れが終了し、以後は延長サポート期間に入るという。Windows XPの教訓などを生かし、サポート終了に備えて新しい環境への移行を早めに検討すべきだ。

約21万台が稼働中のWindows Server 2003

 2015年はサーバ用OS「Windows Server」でもサポート終了問題が控えている。「Windows Server 2003/2003 R2」のサポート提供が2015年7月15日(日本時間)に終了する。Windows XPからの移行時は、PCごと買い替えるケースが多かったが、Windows Server 2003/2003 R2の移行では、サーバマシンの買い替えだけでなく、稼働する業務システムの移行も必須となる。そのため、クライアントOSの移行時よりも、サーバOSの移行は時間も手間も費用も掛かる。より計画的に移行作業を進める必要があるだろう。

 IDC Japanは、国内で稼働するサーバ数238万台のうち、2014年末時点で8.8%を占める約21万台でWindows Server 2003が稼働していると推定。日本マイクロソフトでは、2015年7月15日のサポート終了までに約5万台まで稼働台数を減らすことを目指している。

 MM総研によると、Windows Server 2003からの移行が進まない理由として、「経営者の理解と予算の確保」「社内の人手不足」が対策遅れの2大要因になっているという。

 Windows Server 2003の移行には平均して200日を要するとされており、今後はかなり差し迫った状況となる。最新のサーバOS「Windows Server 2012 R2」は、サーバマシンの性能向上はもちろんのこと、セキュリティ面の強化や仮想化/クラウド、モバイルへの柔軟な対応を実現し、管理性も向上している。避けられない負担であるならば、そこから最大限のメリットを見いだすというポジティブな姿勢で臨むことが得策といえるだろう。

2015年はWindows 10の話題が中心に?

 Windowsをめぐる動静で見逃せないのが、クライアント用OSの次期版「Windows 10」である。Microsoftが9月に発表したWindows 10は、従来のWindowsのようにマウスとキーボードを中心としたユーザーインタフェースへと回帰する見通しだ。これまでに何度となく待ち望まれた「スタートメニュー」も完全復活する予定。現行のWindows 8.1に寄せられた不満を解消しようとしている。

 Windows 10については、既にテクニカルプレビュー版が提供されているものの、開発中の機能も多く、まだ明らかにされていない部分が多い。セキュリティや管理機能、企業が利用可能なアプリストアなど、ビジネス向け機能の強化も計画されている。今後のアップデートで順次提供されていくはずだ。

 Microsoftは2015年1月21日に本社キャンパスでWindows 10関連のイベントを開催する。最高経営責任者(CEO)のサトヤ・ナデラ氏とXbox責任者が登壇し、コンシューマー向け機能を中心に紹介する見込みだ。Windows 10の正式版は、2015年中に公開される見通しとなっている。

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