「ハイパーコンバージドインフラ」の試用ソフトウェア版、クラウド環境へのバックアップを容易にするアプライアンスなど、サーバやストレージに関連する最新のニュースをお届けします。
サーバ、ストレージの新製品や導入事例を紹介する「サーバ&ストレージ」ニュースフラッシュ。レノボ・ジャパンのハイエンド向けx86サーバ新製品、物理的な共有ストレージの代わりにサーバの内部ディスクを利用する垂直統合システムである「ハイパーコンバージドインフラ」の試用ソフトウェア版、クラウド環境へのバックアップを容易にするアプライアンスなど、さまざまなニュースがありました。
デルは2015年5月11日、エントリー向けストレージアレイ「Dell Storage SCv2000シリーズ」を提供開始した。1Tバイト当たりのコストを抑えながら8万5000IOPS(1秒当たりに処理できるI/O数)のパフォーマンスを実現。「SCv2000アレイ」「SCv2020アレイ」「SCv2080アレイ」の3モデルを用意した。SCv2000アレイの最小構成の販売価格は159万9000円から(税別、以下同)。
Dell Storage SCv2000シリーズは、データ保護機能や容量の最適化を実現する「RAID階層化機能」を搭載し、データ移行サービスやマルチプロトコル接続などをソフトウェアのオプション機能で提供する。中小規模企業のプライマリストレージなどの利用を想定。同社によると、よりハイエンドなエンタープライズクラスの機能が必要となった場合は、SCシリーズ製品群の追加やデータ移行も可能だという(発表:デル<2015年5月11日>)。
サンディスクは2015年5月11日、PCI Express(PCIe)接続型フラッシュストレージの新製品「Fusion ioMemory SX350」(以下、SX350)を発表した。SX350は「Fusion io」製品群として初めてサンディスク製のNANDフラッシュを搭載。DRAMのように直接メモリにアクセスする方式を採用し、I/O遅延を15マイクロ秒まで抑えた。容量は1.25~6.4Tバイト。また、アプリケーションを高速化するソフトウェア技術を採用した。これらにより、従来製品である「Fusion ioMemory ioDrive2」と比べて容量単価を最大61%下げ、価格性能比を最大4倍向上させた。
さらに自己データ保護機能である「セルフヒーリング機能」を持つ他、リードエラー率を「1000年で1セクタ」まで低く抑えた。サンディスクによると、SX350とサーバを組み合わせることで、特にオンライントランザクション(OLTP)処理のデータベースにかかる負荷を効率的に処理できるという(発表:サンディスク<2015年5月11日>)。
レノボ・ジャパンは2015年5月13日、ハイエンド向けx86サーバ製品群の新製品5種を発表した。発表した製品は次の通り。
「Intel Xeonプロセッサー E7-4800/8800 v3」を搭載し、従来の同社X6製品と比較して処理能力が最大56%向上。新たにSSD(ソリッドステートドライブ)の新規格である「NVMe フラッシュストレージ」を収容可能にした。同社によると、基幹データベースやリアルタイム処理を実行する業務システム用途に適するという。
同時にレノボ・ジャパンは、これまで海外市場で提供していたラックマウント型x86サーバ製を国内販売することも明らかにした。筺体サイズが1Uの「ThinkServer RD350」、2Uの「ThinkServer RD450」の2機種だ。管理ツール「ThinkServer System Manager」によって、Webブラウザやコマンド/スクリプト環境「Windows PowerShell」でのハードウェア障害の監視や通知、電源制御などが可能。さらに2Uサーバ「System x3650 M5」を用いて、仮想デスクトップインフラ(VDI)でCAD(コンピュータ支援設計)システムを構築する「System x CAD on VDI」の提供を開始した(発表:レノボ・ジャパン<2015年5月13日>)。
NECは、Windows/Linux環境向けサーバ「NX7700xシリーズ」の新製品4機種を販売開始した。最大18コアのCPU「インテル Xeon プロセッサー E7 v3ファミリー」を採用し、従来機比で処理性能を約20%向上させた(従来機「NX7700x/A2010M-60」と新製品「NX7700x/A3012M-4」との比較)。
重要なデータのみ領域を二重化する「Address Based Memory Mirroring機能」によって、メインメモリの可用性を向上。限られたメモリ領域をビッグデータの収集・分析のためのインメモリDBとして利用できる。また、外部ストレージやネットワークと接続するI/Oカードの障害時に、無停止で予備カードへ切り替える「Mission Critical I/O Failover機能」も搭載した。NECでは、NX7700xシリーズは企業の基幹システムやビッグデータ活用における基盤向け製品だと説明する(発表:NEC<2015年5月27日>)。
モデル名 | 最小構成価格 | 出荷記事 |
---|---|---|
NX7700x/A3012M-4 | 327万5000円~ | 2015年7月31日 |
NX7700x/A3012L-2 | 358万9000円~ | 2015年7月31日 |
NX7700x/A3012L-1 | 301万7000円~ | 2015年7月31日 |
NX7700x/A3010M-4 | 168万4000円~ | 2015年7月31日 |
ニュータニックス・ジャパンが、仮想環境構築用アプライアンス「Nutanix Virtual Computing Platform(VCP)」のソフトウェア版となる「Nutanix Community Edition」(以下、Community Edition)を発表した。VCPは、物理的な共有ストレージの代わりにサーバの内部ディスクを利用する垂直統合システムである「ハイパーコンバージドインフラ」の1種。Community Editionは、一般的なx86サーバを利用して、VCP環境を簡単に試せるようにするソフトウェア。ニュータニックスのコミュニティー「NEXT」に登録すれば、無償でダウンロード可能。ディザスタリカバリなど一部の機能が制限されており、開発や検証などの利用を想定する。現在はクローズドβテストを実施しており、6月9日にパブリックβ版を提供する予定(発表:ニュータニックス・ジャパン<2015年5月28日>)。
ネットアップがクラウド環境へのバックアップを可能にするストレージ製品群「NetApp AltaVault」を発表した。バックアップ対象データのクラウド環境へのバックアップを自動化する機能を提供する。NetApp AltaVaultでは、IBMやEMC、Hewlett-Packard、Symantec、Dell、CommVault Systemsなど主要ベンダーのバックアップソフトと連係可能。また、国内外のパブリッククラウドサービス22種、CloudianやEMCなど他社のプライベートクラウド用ストレージとも連係できる。バックアップ時にはインライン方式の重複排除、データ圧縮によりテープメディア使用時と比べて、最大30分の1までデータ容量を削減できる。これにより、クラウドへの伝送時の帯域やコストを抑えられる。バックアップ対象データをキャッシュとして保持できる「バックアップモード」、バックアップデータのメタデータを生成して保持し、元データをほぼリアルタイムにクラウドへ伝送する「コールドストレージモード」を使い分けることができる。
NetApp AltaVaultには、物理アプライアンス、仮想アプライアンス、クラウドアプライアンスの3種の提供形態がある。物理アプライアンスは288Tバイトの物理容量を持つ「AVA400」があり、その上位機種「AVA800」は2015年7月以降に提供する。仮想アプライアンスはサーバ仮想化ソフト「VMware ESXi」「Microsoft Hyper-V」の環境で稼働。クラウドアプライアンスはAMI(Amazon Machine Image)/AVM(Azure Virtual Machine)形態で、各クラウドサービスのマーケットプレイスにて購入可能だ。既に「Amazon Web Services」では販売している。米NettAppは2014年、米Riverbed Technologyの「SteelStore」製品ラインを買収しており、NetApp AltaVaultはSteelStoreを名称変更した製品だ(発表:ネットアップ<2015年5月28日>)。
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