クラウドベース製品の登場により、ビデオ会議製品の市場に大きな変化が起きている。数ある製品を適切に評価して購入するために、選ぶ際のチェックポイントを紹介する。
ビデオ会議製品の購入に際しては、幾つか検討すべき項目がある。特に重要なのは、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントの適切な構成を見極め、他のビデオ会議製品との互換性を明確にし、購入候補となるベンダーの経営が安定しているのを確認することだ。
さらにビデオ会議製品については、スケーラビリティや使い勝手、そして当然ながらコストも検討事項となる。より大局的な見地から、ユニファイドコミュニケーション(UC)の導入計画や既存のビジネスワークフローへの統合についても検討する必要がある。
昨今、クラウド技術の登場やアベイラビリティの向上、コストの低下などが影響し、ビデオ会議製品は急成長を遂げている。自社のニーズに見合ったサービスを見つけようと、複数のサービスを比較検討する企業があるかもしれない。ビデオ会議製品を購入する際に検討すべき10の項目を以下で紹介する。
会議室用ハードウェアは他社のサービスでも使用できるか。できるとすれば、各サービスで使いやすさがどのように異なるか。ユーザーが使い方を習得するためのコストとその間の生産性低下についても検討が必要だ。
SaaS(Software as a service)プロバイダーを変更することで、サービスの利用場面に変化があるか。また、ユーザーが使い方を覚えなおす必要はあるか。SaaS型サービスは、概念は似ていても、使いやすさがそれぞれ大きく異なる可能性がある。ユーザーのダイヤルインをサポートするものもあれば、複数のユーザーが対話できる仮想会議室を設置できるものもある。どの利用場面にもそれぞれメリットがあるが、導入を考える企業は自社のワークフローに最適なアプローチを見極めなければならない。
ベンダーとリセラーの財務的な存続可能性はどうなっているか。月極めの安価なSaaS製品を検討している企業であれば、ハイリスクなベンダーを選べるかもしれない。だが大半の場合は、サプライヤーの存続可能性を考慮する必要がある。
導入規模を迅速に拡大、縮小できるか。インストールしたシステムの運用を拡大したい場合、サプライヤーは技術的に対応できるか。そして費用は法外なものにならないか。サプライヤーにはそれぞれ、最大限の価値を提供できるスイートスポットがある。初期コストが低くても、サービスの成長に伴いコストが劇的に上昇する場合もあれば、初期費用が高くても、ユーザーを追加するコストは導入規模に関係なく一定という場合もある。取引先候補となるサプライヤーに、予想される使用量の50〜500%の範囲でユーザー当たりのコストの詳細を確認するといいだろう。
ユニファイドコミュニケーション(UC)製品の導入を検討しているのであれば、そのUC製品のビデオ会議機能についても検討する必要がある。現在、多くのUCベンダーが提供しているビジュアルコミュニケーションサービスは初歩的なものだ。より強力なビデオ会議製品を追加でインストールしようという企業もあるだろう。多くのサービスは互いに連係して機能する。異なる製品間でどの程度の連係が可能かの確認が必要だ。
ユーザーは企業内コミュニケーションツールの「Slack」や「Cisco Spark」「Salesforce」「Office 365」といった製品で多くの時間を費やす。こうした環境において、ビジュアルコミュニケーションサービスがユーザーのワークフローにどう適合するかについての確認も重要となる。複数のシステムを切り替えて使わなければならないようなら、採用は進まないかもしれない。
ビデオ会議の市場は断片化しているため、ユーザー企業は複数のサービスを導入する場合がある。社内で統一されたサービスがあるとしても、サプライヤーや顧客とのやりとりに別のアプリケーションを必要とする従業員への対処が必要だ。ロックされていない環境であれば、大抵、新しいソフトウェアのインストールは比較的容易だ。ただし、会議室用ハードウェアはそうしたワークフローに対処できるほどの十分な柔軟性を備えている必要がある。
ビデオ会議はストリーミングと記録が可能だ。PCの他、クラウドや専用サーバに記録できる。
ビデオ会議サービスによっては、双方向のコミュニケーションよりもデータ配信に向いているものもある。どのようにビデオ会議技術を使うかについて、方針を明確にすることが重要だ。
ビデオ会議は専門的な製品なので、サプライヤーを慎重に検討する必要がある。多くのサプライヤーはリセラーを通じて販売するので、リセラーについても慎重に調査すべきだ。ビデオ会議はUCともITともAVとも違い、これら3つ全ての分野のスキルを必要とする。製品購入時には専門のサプライヤーに助言を求めるべきだ。
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