MacBookも採用の「USB Type-C」が後押し?
消えたはずの「ドッキングステーション」が“熱い製品”として帰ってきた理由(1/3 ページ)
消費者向け市場ではほとんど見掛けなくなった純正ドッキングステーション。しかし今、ドッキングステーションへの関心がまた高まっている。それはなぜなのか。
専用のドッキングステーションを使用すると、ノートPCに備え付けられた端子の接続先を大幅に広げることができる。また、デバイスを全て取り外さなくても、ノートPCを持ち運べるという利便性も得られる。デバイスを再接続するときにも便利だ。企業向け市場ではドッキングステーションは今でも一般的だ。ミッドレンジモデルとハイエンドモデルのほとんどで、装着型ドッキングステーションを用意している。Lenovoの「ThinkPad T460s」は、装着型ドッキングステーションがある企業向けノートPCの一例だ。
大手ノートPCブランドは消費者向けモデルに専用ドッキングステーションを提供していたが、その大部分は2009年ごろに廃止している。HP(旧Hewlett-Packard)は、「HP Pavilion dv5t」モデルを最後に提供を中止した。それ以降、消費者向けノートPC用のドッキングステーションが必要な場合は、主に非純正のUSBベースのドッキングステーションを選ばなければならなかった。Targusの「Targus Universal USB 3.0 DV」がその一例だ。消費者向け市場のドッキングステーションに何があったのだろうか。
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USB 3.0の導入
独自のドッキングステーションが存在していた理由の1つは、入出力端子の制約だ。2010年ごろまでは、「USB 2.0」端子が一般に手に入りやすい最も高速な端子の主流だった。USB 2.0は、現在の標準からすると低速だ。モニターやテレビをはじめとする、多くのデバイスを同時に接続するときに必要なスループットを処理することができない。そのため、USB 2.0は総合的なドッキングステーションには適していなかった。PCメーカー各社のドッキングステーションは、データ転送速度を高める工夫を独自に施して、USB 2.0の制約を回避していた。
2010年ごろには「USB 3.0」が主流となり始めた。USB 3.0は、USB 2.0の最大10倍のデータ転送速度を実現する。USB 3.0の登場により、独自のドッキングステーションの存在理由が1つ取り除かれた。しかし、これは専用ドッキングステーションがなくなった決定的な要因ではない。とはいえ、高速なデータ転送速度を実現する端子が利用できるようになったことは、その一因である。
ワイヤレスへの移行
2000年代の初めから終わりまで、消費者向け電子デバイスのワイヤレスへの大規模な移行が見られた。PCに関して言えば、マウスからキーボード、無線LANまであらゆるものだ。無線LANの普及によって、ほとんどのデバイスをインターネットに接続できるようになった。ワイヤレス印刷とネットワーク接続ストレージ(NAS)も一般化した。
周辺機器については、個人専用無線LANともいえるBluetoothの普及により、物理的なドングルをPCに接続する必要がなくなり、ワイヤレス化はさらに進んだ。通常、ワイヤレスマウスを接続するにはUSB端子が必要だが、BluetoothマウスはノートPCのBluetooth信号に直接接続するので、ドングルは必要ない。
要するに、当初ドッキングステーションが一般的だった大きな理由は、デバイスを物理的に接続する必要があったことだ。その必要性は、ワイヤレス技術の登場によって減少した。現在の、モノのインターネット(IoT)のインフラストラクチャを考えると、物理的な接続の必要性が増えることはないように思われる。そうは言っても、使用する全てのデバイスにワイヤレス機能が組み込まれる日が来ない限り、物理的に接続する必要性がほぼ永久になくならないのも確実だ。
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