操作性とセキュリティのバランスが普及の鍵
仮想デスクトップの操作性と安全性を向上、「SSO」「2要素認証」の仕組みとは?
VDI環境のユーザー操作性とセキュリティのバランスを図るのは容易ではない。SSOや2要素認証などの仕組みを用いて、ユーザーの操作性とセキュリティを両立させる方法を解説する
VDI(仮想デスクトップインフラ)の世界でも、ユーザー操作性とセキュリティのバランスは重要だ。複数の複雑なパスワードなど、セキュリティ対策の多くは操作性の犠牲の上に成り立つ。IT管理者にとって残念なことに、VDIの世界には、必要なバランスを一挙にもたらしてくれる全能の選ばれし者はいない。その代わり、セキュアなVDI環境を維持しつつ、エンドユーザーの期待に沿う操作性を提供するための方法は幾つかある。まず大事なのは、仮想デスクトップが少なくとも物理デスクトップと同程度の性能を発揮できるよう、十分なハードウェアリソースを割り当てることだ。
以下では、VDIに「シングルサインオン」(SSO)や「2要素認証」などの仕組みを用いて、エンドユーザーが求める操作性とIT部門が必要とするセキュリティを両立させる方法について解説する。
併せて読みたいお薦めの記事
2要素認証の重要性
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生体認証はどこまで進化しているのか
VDIのパフォーマンスに関する記事
SSOがもたらすメリット
SSOを使えば、ユーザーは1組のログイン情報で全ての仮想リソースにアクセスできる。クライアントPCではなくSaaS(Software as a Service)環境でアプリケーションが動作している場合、SSOは特に優れたソリューションとなる。
1組のログイン情報で全てをカバーする手法は一見、セキュリティ上のリスクに思えるかもしれない。そのログイン情報さえ盗み出せば、あとはどんな情報にも自由にアクセスできるからだ。だが実際には、ログイン情報を1つにまとめることはセキュリティの強化につながる。覚えなければならないパスワードが増えれば増えるほど、そしてパスワードが複雑になればなるほど、ユーザーがパスワードを書きとめる可能性が高まり、それはセキュリティ上の大きなリスクとなるからだ。覚えるべきパスワードが1つだけなら、もっと複雑なパスワードを設定するようユーザーに要求できる。
操作性の観点からすると、SSOを使うことで、使用する全てのサービスに個別にログインする手間が省ける。
2要素認証でセキュリティを強化
SSOを2要素認証と組み合わせることで、セキュリティはさらに強化できる。2要素認証は、ログイン時に複数の認証情報を求める仕組みだ。認証には、パスワード、生体認証、セキュリティトークンなどを使用できる。2つの認証要素を用いることで、ユーザーの手間は若干増える。だがIT管理者の安心感は増す。操作性とセキュリティのバランスを図る上で、そうした安心感は重要だ。
VDI環境に2要素認証を追加するには、サーバに認証サーバソフトウェアをインストールし、VDIブローカーが使用するサーバとして設定する。クラウドベースの認証ソリューション「Authentication as a Service」(AaaS)を利用し、保守とセキュリティを全てサードパーティーに委ねることも可能だ。
操作性を改善するためのその他の方法
VDI管理者はユーザーのログインに掛かる時間やデータ入力の応答性、グラフィック表示速度などを確認できるよう、エンドユーザーの操作性のモニタリングツールを利用するといい。多くのモニタリングツールは、ユーザーの操作性が一定レベル以下になると自動的にアラートを送信し、IT管理者に対応や修正を促すようになっている。
インフラに問題が発生した場合に備え、対策を講じておくことも重要だ。VDIソフトウェアとハードウェアには全て冗長性を持たせるといいだろう。
最後にもう1つ。無効にすべきプロセスの確認も重要だ。例えば、HDDのデフラグ(最適化)は、物理デスクトップで実行する分には問題ないが、仮想デスクトップでは貴重なリソースの無駄遣いになる。
モバイルVDIのパフォーマンス
モバイルデバイスでの仮想デスクトップの利用は長年、あまり使い物にならなかった。ユーザーの操作性がお粗末だったからだ。だがモバイルデバイスの画面が大型化し、解像度が向上した今、モバイルVDIは全くの論外というわけではなくなっている。4Gデータ接続も、モバイルVDIの普及を後押しする要因となる。仮想リソースにアクセスするために常時Wi-Fiに接続する必要がなくなるからだ。
仮想デスクトップを丸ごと配信する代わりに、リモートアプリケーションをWebブラウザや企業向けアプリケーションストア経由で配信できるようにしているベンダーも多い。モバイルユーザーには、このアプローチの方がはるかに適している。
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