医療機関が身代金要求型マルウェア「ランサムウェア」の被害を受けた場合、システムの停止は患者の生命に直結する。病院は「ランサムウェアには身代金を支払わない」という理想論が通用しない局面を想定して、対策する必要がある。
ある調査によると、身代金要求型マルウェア「ランサムウェア」の被害を多く受けているのは医療サービスと金融サービスだという。医療機関がランサムウェアの被害を受けた場合、システムの停止は患者の生命に直結する。「ランサムウェアには身代金を支払わない」が理想の対応だが、患者の命がかかるとそれも通用しないかもしれない。
しかし、サイバー犯罪者にとってのランサムウェアは一大ビジネスになりつつある。社会的な被害拡大を食い止めるためにもランサムウェアには身代金を支払わないようにしたいものだ。
ランサムウェア攻撃に屈しないためにはどのような対策が必要なのか。本稿では具体的な解決策とともに、苦渋の決断でランサムウェアに身代金を支払った医療機関の事例を紹介し、ランサムウェア対策の理想と現実を探る。
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