iOSアプリ開発のMac離れ? Win環境で開発できる「Xamarin Live Player」登場ただしApp Store申請にはMacが必要

「Xamarin Live Player」はiOSアプリの開発やテストを高速化でき、Macがなくてもアプリケーションのデバッグができる。

2017年05月24日 15時00分 公開
[Ramin EdmondTechTarget]

 Windows PCを使ったiOSアプリの開発やテストをこれまで以上に加速させることが可能になった。IT部門にとっては、アプリケーションをユーザーに届ける効率性向上が期待できる。

 新ツールの「Xamarin Live Player」は、「Visual Studio」を使う開発者がWindows PCをAppleのiPhoneやiPadに接続して、ネイティブアプリのテストとデバッグができる。Macは不要。これによってiOSアプリ開発プロセスの合理化を図ることができる。翻って、組織がアプリをユーザーに配信するペースも速まり、問題は少なくなる。

 「特にiOSのデバッグ機能が気に入っている」と話すのは、米国のペレットサプライヤーKamps Palletsの上級プログラマー兼アナリスト、ジャスティン・カミングス氏。「これは本当に素晴らしく、私たちの助けになるだろう。今後のモバイルアプリ開発のため、Visual Studio経由でXamarinを使い始める予定だ」と語る。

新機能

 Microsoftはこのほど、「Microsoft Build 2017」カンファレンスでXamarin Live Playerを発表した。これまでは、MicrosoftのVisual Studioで開発したiOSアプリのデバッグをするには、統合開発環境(IDE)の「Xcode」を搭載したMacと同じWi-FiにWindows PCを接続する必要があった。アプリケーションのエミュレータソフトウェアをインストールして使う必要もあることから、時間を取られる原因になっていた。

 Xamarin Live Playerは、開発者が自分のWindows PCにiPhoneやiPadを接続してQRコードをスキャンし、デバッグのオプションを選択すると、アプリのデバッグができる。自分が書いたコードの変更がアプリにどう反映するかをリアルタイムでチェックすることもできる。

 米国の調査会社Moor Insights & Strategyの社長兼主席アナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏によると、Windows開発環境に物理的なMacを置く必要がなくなれば、iOSアプリは一層開発しやすくなる。「真のメリットは、iOSアプリの開発、テスト、デバッグのペースを大幅に加速できる点にある」と同氏は言う。

依然としてMacユーザーフレンドリー

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