クラウドプロバイダー各社は人工知能(AI)クラウドサービス分野でしのぎを削っており、データサイエンティストや開発者がモデルをトレーニングするための環境として自社のプラットフォームを売り込んでいる。
クラウドベンダー各社は、高まりつつあるAI導入の機運をつかもうと競い合っている。AIや機械学習(ML)に関する話題があふれる現在、大手クラウドベンダーはこの流れを大きなビジネスにつなげようと力を注いでいる。
2017年にはAmazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google、IBMなどが数々のクラウドAIツールを投入した。こうしたプラットフォームがAIを導入する企業の要件に適しているかどうかは、ビジネス戦略におけるAIと機械学習の位置付け次第だが、ベンダー各社は機械学習を導入したい企業や経験不足で戦略を立てかねている企業を対象に続々とサービスを用意している。
クラウド上に構築するAIアプリケーションは一部の成功例以外、まだ傍観している企業がほとんどであり、深層学習の導入を進めているところはさらに少ない。企業は一からシステムを構築すべきか、あるいは音声認識や画像認識などのクラウドサービスをAPIで利用すべきか、導入方式を選ぶ必要がある。そう話すのは、Gartnerのアナリスト、チラグ・デカテ氏だ。
「IT責任者が理解すべき点は、AIを金づちよりも外科用メスのように使う方がいいということだ」とデカテ氏は話す。AmazonやGoogle、Microsoftなどが多額の投資を行って、企業が社内で利用したり社外のクラウドで利用したりするためのAIサービスを提供しているのは、高度な解析機能が大きな価値を生み出すと見ているからだという。
プロバイダー各社は今後もクラウドAI機能の拡充にますます力を入れていくとデカテ氏は予想する。AIクラウドがまだ浸透していない現在の状況は、クラウドベンダーにとって未開拓の顧客を争奪する好機でもある。
モバイルネットワーク企業のSyniverseは、VMwareと提携して「VMware vRealize Suite」によるプライベートクラウドを「IBM Cloud」とAWSに拡張している。同社ではクラウドネイティブのサービスをあまり使っていなかったが、これからはそうしたサービスがプラットフォームの差別化要因になると考えている。
Syniverseの最高技術責任者(CTO)を務めるクリス・リベラ氏は「新しいレポートと解析の機能を顧客に素早く提供できるAIと機械学習のツールは、非常に興味深い分野の1つだ」と語った。
クラウドプロバイダー各社は主に3つのレベルのAIサービスをプラットフォームに構築している。一番下のレベルは、最も複雑で最も高度な性能を提供するインフラストラクチャ層だ。大手プロバイダーは、「TensorFlow」や「Apache MXNet」など代表的なフレームワークやGPUベースの仮想マシンをサポートしており、これらを他のクラウドサービスに接続することでモデルの構築とトレーニングを行うことができる。Googleは2018年2月、カスタムプロセッサを用いたTensorFlow用のTPUインスタンスタイプのβ版を発表し、統合を前進させた。
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