企業がコンテナ管理システムに求めるものはさまざまだ。それがオーケストレーションなのか、リソースの抽象化やセキュリティ強化なのかによって、適切なシステムは異なる。
コンテナ管理システムを検討する際は、コンテナ製品を判断する上で重要なポイントが幾つかある。これらのポイントは、ニーズと製品機能の組み合わせで決まる。コンテナ管理システムは大抵多層構造になるため、購入プロセスが複雑になる。コンテナ管理ソフトウェアの導入目的を明確にしてから、その目的にかなう選択肢の検討に進むのが望ましい。
コンテナホスティングソフトウェアには2種類ある。1つは、一般的なアプリケーションセキュリティを求めるユーザー向けのソフトウェア。もう1つは、非常に高度なセキュリティを求めるユーザー向けのソフトウェアだ。基本的なアプリケーションセキュリティを求めるのなら「Docker」が適している。Dockerはコンテナ市場をけん引するリーダー的存在だ。コンテナ導入を検討している場合、明確な理由がない限り、Dockerを選ぶのがお勧めだ。基本的なコンテナホスティング製品を選ぶ上で唯一基準になるのは、求めるセキュリティが一般的なレベルなのか、非常に高レベルなのかだ。
セキュリティ要件が極めて厳しい場合に最善の選択肢はCoreOSの「rkt」(「ロケット」と発音)だ。これはコンテナホスティングソフトウェアとしては、2番目に人気の高いパッケージだ。rktは、Open Container Initiativeの規格に基づいているが、Dockerコンテナの実行もできる。ホストするアプリケーションの隔離機能に優れ、強力で使いやすい監視機能を備える。rktの監視機能のみを検討するユーザーもいるぐらいだ。だがDockerの人気は高く、広範なサポートが提供されるため、特に理由がなければDockerを選ぶ方がよいだろう。
この分野の市場ではさまざまな動きがある。OpenStackは、「Kata Containers」という独自のコンテナプロジェクトを発表し、コンテナのシンプルさと仮想マシン(VM)のセキュリティとの融合を実現するとしている。このコンテナプロジェクトはまだ導入可能な段階に至っていないが、今後選択肢の1つになるだろう。
コンテナホスティングパッケージを見極めたら、次に検討するのはオーケストレーション戦略だ。大半のコンテナユーザーは、Dockerまたはrktのツールだけを使って、コンテナ管理用のアプリケーションを導入することになるだろう。だが、それでニーズを満たせなければ、オーケストレーション用の基本パッケージを追加することになる。
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