事実上の標準はKubernetes
クラウドの運用がぐっと楽になるコンテナ管理ツール、使いどころは?(1/2 ページ)
コンテナの運用にはハードルだらけだ。クラウドでさえ困難な課題は多い。
コンテナを実行環境に用いている企業ならすぐに気付くことがある。それは、誇大広告の陰に隠れているが、コンテナを開発と運用の効果的なプラットフォームにするためには多数の細かいニュアンスの理解が求められるということだ。
コンテナは、関連するソフトウェアとサービスで構成された大規模なエコシステムを必要とする。それがあれば、コンテナは効率的かつ自動化された開発と導入を実現するための有効な選択肢になる。ユーザーは、コンテナクラスタ管理システムとワークロードオーケストレーションシステムについて極めて重要な選択を迫られる。コンテナ登録にまつわる補助的なシステムについても同様だ。それにはサービスの検出、監視、認証システム、CI(継続的インテグレーション)/CD(継続的デリバリー)自動化ソフトウェアも含まれる。これらの各ツールを組み込む全体的なコンテナライフサイクルは、一貫性があって、繰り返し可能で、信頼できるものでなければならない。
コンテナクラスタ管理とオーケストレーションのツールは、クラスタノードやコンテナワークロードの割り当てや拡張、再起動、廃止を行う。コンテナエコシステムではこの要素は最も基本的な部分だが、選択の余地がある。事実上の標準として台頭しているのは「Kubernetes」だ。Kubernetesには多数の機能やオプションが用意されている。だが、初心者や小規模IT部門にとってはセットアップさえ難しい。クラウドプロバイダーはマネージドサービスを提供することで、このギャップに対応する。マネージドサービスを使えば、ユーザーは関連するインフラとソフトウェア管理の一部、あるいはその全てから解放される。
クラウドプロバイダーのKubernetes
初期のコンテナクラスタ管理サービスは、コンテナの導入と管理の問題を単純にすることを後押しした。だが、クラスタの基盤を成すコンピューティングインスタンスをユーザー側で管理することがまだ必要だった。Amazon Web Service(AWS)の「Amazon Elastic Container Service」(Amazon ECS)はこのような環境の好例だ。専用のオーケストレーターが用意されているが、これにはKubernetesにある多くの機能が欠けている。コンテナクラスタ管理の展望がはっきりしてくるにつれ、クラウドプロバイダーはAWSの「Amazon ECS for Kubernetes」(Amazon EKS)、Microsoftの「Azure Kubernetes Service」(AKS)、Googleの「Google Kubernetes Engine」(GKE)などのマネージドKubernetes環境を導入するようになっていく。マネージドKubernetes環境では、コンピューティングインスタンスのサイズを変え、必要に応じてスケールアウトすることが可能だ。これらのサービスはコンテナクラスタを自己管理する場合に比べて大幅な改善になる。一方、ある程度のインフラ管理が必要なのは変わっておらず、その点が厄介になり得る。
マネージドコンテナインスタンスはこうした余分な手間に対処する。Microsoftの「Microsoft Azure」とAWSが2017年にリリースしたサービスでは、コンテナ管理の最後のハードルであるインフラが排除された。コンテナを実質的にオンデマンドのランタイムエンジンへと変えたのである。このランタイムエンジンは、概念的には、スタンドアロンのコンピューティングインスタンスとサーバレス機能の間のどこかに位置付けられる。Microsoftの「Azure Container Instances」(ACI)では、コンテナをVMと同じくらい簡単に導入できるようにしている。起動が早いことに加え、課金もサーバレス機能のように細かい。
AWSの「AWS Fargate」はインフラ管理が不要なコンテナサービスだ。Kubernetesコンテナクラスタ管理に付随する複雑な要素を必要としない企業にとっては最適なオプションになる。ACIとAWS Fargateは似ているが、それぞれ内部は大きく異なる。ACIは、Microsoftの「Azure Functions」のようなサンドボックスだ。AWS Fargateは、Amazon EKSをシンプルにしたバージョンで、インスタンス管理が不要になっている。
ACIとAWS Fargateはコンテナユーザーにジレンマをもたらす。Kubernetesの機能とカスタマイズオプションは全て必要だが、マネージドインスタンスの利便性と手軽さは気に入っている。そんな場合はどうすれば良いのだろうか。1つの選択肢は、クラウドプロバイダーを利用してコンテナサービス同士の中間での機能を増やすことだ。もう1つは、コンテナの開発と導入のライフサイクルにおけるさまざまなポイントで利用するツールを変えることだ。
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