NANDフラッシュが不足した状態は2016年末に始まった。この不足した状態が「供給過剰」状態に転じようとしている。これにより大幅な価格下落が起きるだろう。
NANDフラッシュは間もなく供給過剰が始まる。それに伴い、NANDフラッシュチップと大容量エンタープライズSSDの価格崩壊が起きる。
2018年8月7日に開催したフラッシュメモリに関するイベント「Flash Memory Summit」でこの見解を表明したのは、調査会社Objective Analysisの最高責任者を務める半導体アナリストのジム・ハンディ氏だ。ハンディ氏は次のように予測している。NANDフラッシュの価格は今後半年で80ポイント下落し、その後年間30ポイント程度ずつ緩やかに下落する。その下落は次に不足状態が起きるまで続くという。
ハンディ氏によると、NANDフラッシュの不足状態と供給過剰状態は周期的に繰り返す傾向があり、一般にどちらも2年程度続くそうだ。不足状態になれば価格が高騰する。その結果、収益が増えたメーカーは課税を免れるために自社の事業へ投資に注力する。こうした再投資は市場が生産量の不足を取り戻すまで続き、やがて供給過剰へと転じ、事業利益が低下する。
2年間のNANDフラッシュ不足状態に続いて2年間の供給過剰状態が訪れるというのが典型的なサイクルだが、ハンディ氏によると今回はこの典型的パターンが崩れる可能性があるという。同氏は、中国の新興NANDベンダーYangtze Memory Technologiesが加わったことで、典型的な2年サイクルではなく、供給過剰状態が3年続く可能性があると予測している。
ハンディ氏は供給過剰になればNANDフラッシュのチップ価格が下落すると考えている。だがSSDの価格はこの動きに連動せず、下落はしないと見ている。
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