6つの領域を調査
2018年のIT投資動向総括「企業がITインフラへの投資を止めることはない」
Synergyは2018年度のITインフラへの投資トレンド調査の結果を公開した。データセンターサーバ、ネットワークセキュリティ、ワイヤレスLANなど各分野の中で、一番投資された分野とは。
主要ベンダーの総売上高が1250億ドルに達するなど、2018年はインフラ市場が急伸した。Synergy Research Groupが公開したデータによると、企業のITインフラへの年間投資額が13%増加したことが、この成長を後押ししたといえる。
Synergyの調査は、調査は最先端技術ベンダーやサービスプロバイダーに送られる四半期調査、継続的な市場追跡調査、そして財務分析に基づいている。この調査は、データセンターサーバ、スイッチとルーター、ホスト型およびクラウド型のコラボレーション、オンプレミスコラボレーション、ネットワークセキュリティ、無線LANという6つの領域に焦点を当てている。
企業のITインフラ 最も成長した分野は?
市場シェアの大半を占めるデータセンターサーバへの投資額の伸び率が最も大きく、26%だった。これは平均的な伸び率の2倍だ。サーバ構成の変化に加え、平均販売価格の上昇がこの成長の要因だと、Synergyのチーフアナリスト兼リサーチディレクターのジョン・ディンスデール氏は言う。
「企業が利用するデータ量は著しく増加し、そのデータを処理するためのアプリケーションの高度化が進んだ」と、ディンスデール氏は述べる。「これに伴い、サーバの性能要件が厳しくなった」
ホスト型およびクラウド型のコラボレーション製品は、2番目に高い伸びを見せ、22%の伸び率となった。これはオンプレミスコラボレーション製品へのITインフラ投資額が減少し、パブリッククラウドサービスへの投資額が増加したことが大きい。ディンスデール氏は、このクラウドサービスへの投資額の増加は目覚ましく、企業がITインフラへの投資を止めることはないと考えている。
「パブリッククラウドサービスへの投資額の伸びは著しいが、自社所有のITインフラに対する企業の投資額は依然として非常に堅調だ」とディンスデール氏は言う。同氏は巨額の投資額がすぐにしぼみ始めることはないと予想している。
スイッチとルーターは2番目に大きな市場シェアを占めるが、わずか3%の伸びにとどまっている。ネットワークセキュリティや無線LANへの投資額はわずかに増加し、6つの領域の中でも最小の市場を構成している。
ベンダーに関して言うと、Cisco Systemsは支配的なベンダーのポジションを維持し、ITインフラ市場の大半の領域をけん引している。しかしCiscoの市場シェアは合計23%で、直前の四半期よりは減少した。Hewlett Packard EnterpriseやDell EMC、Huawei、Microsoft、Check Point Software Technologiesなどもさまざまなインフラセグメントにおいて上位の位置にある。
ネットワークの最新技術が及ぼす影響
この上位6つの領域以外では、パブリッククラウドサービスやソフトウェアアプリケーションなど、さまざまな外部サービスへの投資額が増加した。しかしソフトウェア定義ネットワーク(SDN)や仮想化などの最新技術には、あまり目新しい動きがなかった。
SDNやインテントベースネットワークは、大きな注目を集めるかもしれないが、ディンスデール氏は、これらがITインフラへの投資額に劇的な影響を与えるとは予想していない。
「SDNやインテントベースネットワークは、新しい技術の中でも大きな注目を集めているが、ユーザー企業の動向を見ると、これらの技術への投資に関する劇的な変化は起きていない」(ディンスデール氏)
しかし仮想化はパブリッククラウドとプライベートクラウド両方の市場が成長する中で、現在も利用されているため、ディンスデール氏は今後数年のうちに仮想化は伸びると推測している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略 -
製品資料
[o9ソリューションズ・ジャパン株式会社] 「サプライチェーン最適化」実践ガイド:効果的な意思決定を実現する秘訣とは? -
製品資料
[株式会社リンプレス] 非デジタル/IT人材を「自走するDX推進者」に変えるための育成ロードマップ -
市場調査・トレンド
[ワンアイルコンサルティング株式会社] AI時代の組織設計:「判断と責任」を人に残すための2つの原則とは? -
技術文書・技術解説
[ワンアイルコンサルティング株式会社] システムの保守がモダン化を阻む? 「変えない判断」から脱却する方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「AIバブル」は崩壊するのか? 熱狂の後に来る“尻拭い”と4つの防衛策
-
2
パナソニックが国内製造26拠点のERPを「SAP S/4HANA」に統一 アドオン7割削減
-
3
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
4
守るべきは「開発者のフロー状態」 AIによる生産性改善の6施策
-
5
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
-
6
データを無断で暗号化し使用者に身代金を要求する詐欺に用いられるマルウェアとは?
-
7
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
8
「RAGの利用」に関するアンケート
-
9
「企業内サーバ環境の利用実態」に関するアンケート
-
10
徹底レビュー:評者が「美しい」とため息 「Xperia Z2 Tablet」の華麗な進化に弱点は?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
2
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
3
生成AIで文書活用を進めるには? 効率化と安全性をどう両立する
-
4
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
5
DX/AI投資の壁を突破、現代の最高財務責任者が直面する課題と克服のヒント
-
6
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
7
「人員を増やす」という選択肢はない 情シスが負の連鎖から抜け出すには?
-
8
Linuxのスキルを証明する“激推し”の認定資格はこれだ
-
9
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
10
「問題が深刻化しやすいプロジェクト管理」から脱却する方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー