5Gスマホの開発・製造には解決すべき技術的な課題があるという。その制約により初期の5スマホは大型で分厚く、高価なものになりそうだ。
最初のフラグシップ5Gスマートフォンの原材料費は、同等の4Gスマートフォンよりも20〜30%高くなる可能性がある。これは、台湾を拠点とするTrendForceのアナリストの見解だ。つまりサプライヤーやモバイルネットワーク事業者が、早期導入者に相当な価格プレミアムを求めることを示している。
英国最大手の携帯電話会社EEの予測もTrendForceの見解と一致している。同社のCEOは2018年11月のニュースで、5Gは消費者にとって高価になり、英国での大規模導入は2021〜2022年ごろにずれ込むだろうと語った。その頃になれば幅広い製品ポートフォリオを持つメーカーが増え、価格が下がるという。こうした発言にもかかわらず、EEは英国での商用5Gの発表を2019年に計画している。
TrendForceの最新市場予測によると、2019年に製造される5Gスマートフォンは500万台程度で、その普及率は0.4%にすぎないという。市場に最初に登場するのはHuawei、OnePlus、OPPO、Vivo、Xiaomiなどの中国のAndroidブランドになるだろうと同社は予測している。
5G端末の価格が高騰する原因は、2つの大きな改善点を実現しなければならないことにある。まず、採用するプロセッサを5Gモデムとペアリングしなければならない。次に、受信と信号フィルターのパフォーマンスを向上させるために、Wi-Fiやパワーアンプモジュールなどの周辺コンポーネントが追加で必要になる。結果、初期の5Gスマートフォンは大型で分厚くなる可能性が高い。
5G端末の設計に関してまだ解決されていない問題も価格高騰の原因になるとTrendForceは見ている。5Gに必要な新しいアンテナ部品は発熱量が高く、多くの電力を消費する。そのため、メーカーは現状「熱散逸」という大きな課題に直面している。
これは端末ケースに使用する素材に影響する。金属は5G信号を妨げる可能性があるため、恐らく使用を控えることになるだろう。するとプラスチックとガラスの使用量が増え、さらに高度な製造技術が必要になる。
TrendForceによれば、残念ながらこのような電力消費、部品コスト、エンドユーザーの価格戦略にまつわる問題によって、市場でのテストが必要になるという。こうしたテストにはより成熟した5Gエコシステムが必要になる。
具体的な国名を挙げていないものの、多くの地域の携帯電話会社やネットワークビルダーの作業はあまり進んでおらず、2019年の発売を促すほどテストや展開は完了していないというのがTrendForceの見解だ。そのため、「5Gインフラは2022年までは完成しないと推測される」という。
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