ワークロードを階層化して、堅牢なデータ保護を確立するなら、プライマリーストレージとセカンダリーストレージを用意するのがベストだろう。だが、この2つにはどのような役割を割り振ればよいだろうか。
多くの企業が重視するのは、重要なワークロードのデータをバックアップすることだけだ。復旧計画の一環としてストレージを複数層に分けることは必ずしも考えていない。重視するのは、不可欠なデータ、アプリケーション、システムをバックアップし、それを稼働させることだけだ。例えば、最終四半期に会計部門が作成したファイルは考慮されない。
だが、会計部門のファイルを含め、あらゆる業務を復旧しなければならないこともある。その場合に備えて、ストレージをセカンダリーとプライマリーの少なくとも2つの層に分割すべきなのは明らかだ。
プライマリーストレージやセカンダリーストレージを検索してみると、1台のPCで使用されるストレージメディアとしてのメインメモリやディスクを中心とした定義が見つかるだろう。だが、本稿で取り上げるのはそうしたストレージではない。バックアップに関連して使用されるプライマリーストレージとセカンダリーストレージという用語は、バックアップ計画に含めるべき2種類のストレージを指す。簡潔に言えば、プライマリーストレージは重要なシステムやそのデータを収容し、セカンダリーストレージは大きな障害の後に環境全体を復旧するために必要な「その他」全てのデータを収容する。
ワークロード(データ、アプリケーション、システム)の中でも重要なものは、数分で稼働させなければならない。これらはプライマリーストレージに保存すべきだ。そして、先ほど例に挙げた会計ファイルや、数年間にわたって蓄積されてきたその他のデータはセカンダリーストレージに保存する。企業のデータを全て保存するコストを全体的に減らしながら、バックアップと復旧のパフォーマンスを向上させるというのが、2つのストレージを用意する理由の核心にある。
セカンダリーストレージとプライマリーストレージの違いを分析するため、大手クラウドプロバイダーが提供するストレージ層と、それぞれの違いについて見てみよう。
「Microsoft Azure」と「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)はどちらも通常「ホット」「ウォーム」「コールド」という3層のストレージを用意して、バックアップ、保持、取得、復旧のニーズを満たしている。一般に、ホット層には重要なワークロード、ウォーム層には重要ではないが復旧が必要になるデータを保存する。そしてコールド層に保存するのは、基本的にアーカイブされていて、復旧が求められる可能性があるとしてもわずかしかないデータだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。
カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。
メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。
ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。
長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。
クラウド全盛期になぜ「テープ」が再注目? データ管理の最前線を探る (2025/4/24)
データの多様化と肥大化が加速 ファイルサーバ運用は限界? 見直しのポイント (2025/4/8)
Hyper-Vは「次の仮想化基盤」になり得るのか 有識者の本音を聞く (2025/3/14)
「生成AI」の自社運用に“ちょうどよいサーバ”の賢い選び方 (2025/3/12)
クラウドストレージは便利だけど検索性が課題? 東急建設の解決策は (2025/2/25)
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...