「非構造化データ」が“爆増”しても困らないストレージの条件とは?デジタルトランスフォーメーション(DX)時代の大問題(1/2 ページ)

非構造化データの急速な増加は、ストレージシステムにも大きな変革を迫る。そこで重要な要素となるのが、スケールアウト型の「セカンダリーストレージシステム」だ。

2018年02月05日 09時00分 公開
[Steve RickettsTechTarget]
画像 非構造化データの増加に対処できるストレージシステムの条件とは

 デジタルテクノロジーを活用して新ビジネスの創出やビジネス変革に取り組む「デジタルトランスフォーメーション」(以下、DX)は、企業のデータセンターの近代化をけん引する主要ITトレンドだ。企業は現在、ファイル共有サービスやIoT(モノのインターネット)センサー、ビッグデータ分析といったデジタルテクノロジーの導入を急ピッチで進めている。こうした手段によって洞察力が得られれば、業務プロセスの合理化を進めたり、より良いコラボレーションを実現したりできる。

 企業の間でDXの取り組みが広がる中、驚異的な速さで増加しているのが、ドキュメントや画像といった非構造化データだ。非構造化データの大幅な増加によって、膨大な量のデータ保管に適さない従来型のファイルストレージシステムの負荷は、あっという間に限界を迎える。ストレージ業界を専門にする調査会社Taneja Groupは最近、従来型ファイルストレージシステムについて、IT部門が直面している一般的な課題を調査した。調査結果から明らかになった主な課題は、

  • 柔軟性が欠如している
  • ストレージスペースが有効活用できていない(ストレージ利用率が低い)
  • P(ペタ)B規模のサイズに拡張できない

などだ。こうした課題は、ストレージシステムに関するコストの増加や管理の複雑化などを招く。

 企業は、非構造化データ保管の課題にどう対処すればよいのだろうか。ITに関連するあらゆる物事と同様に、まずは適切なアーキテクチャを用意することが不可欠となる。非構造化データの保管には、高い拡張性や回復力(障害時にデータの完全性や可用性を保持する機能)、柔軟性、経済性を備え、アクセスしやすい「セカンダリーストレージシステム」(バックアップやアーカイブ用のストレージシステム)が重要な役割を果たす。

 本稿では非構造化データ用ストレージシステムの要件を詳しく見ていく。併せてストレージノード(サーバ)の追加で容量を拡張できるようにした「スケールアウト型ストレージシステム」(非構造化データの保存に適した「オブジェクトストレージシステム」など)が、現在のセカンダリーストレージシステムにおいて重要な要素となった理由を掘り下げる。

スケーラビリティと回復力

 非構造化データの膨大な量を考えると、現在のセカンダリーストレージシステムにとってスケーラビリティ(拡張性)が最も重要になることは間違いない。ここで注目すべきなのがスケールアウト型ストレージシステムだ。

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       1|2 次のページへ

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

プレミアムコンテンツ アイティメディア株式会社

「SATA接続HDD」が変わらず愛される理由とは

HDDの容量が30TB超になると同時に、ストレージ技術はさまざまな進化を続けている。そうした中でもインタフェースに「SATA」(Serial ATA)を採用したHDDが変わらずに使われ続けている。なぜなのか。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

IOPSが5倍に向上&コストも80%削減、エクシングが選んだ大容量ストレージとは

カラオケ業界が直面するデータ増に対応すべく多くのストレージを試し続けた結果、4社27台の製品のメンテナンスに悩まされていたエクシング。この問題を解消すべく、同社は大容量かつコスト削減効果に優れた、新たなストレージを導入した。

製品資料 プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

データソート性能向上でここまで変わる、メインフレームのシステム効率アップ術

メインフレームにおけるデータソート処理は、システム効率に大きく影響する。そこで、z/OSシステムおよびIBM Zメインフレーム上で稼働する、高パフォーマンスのソート/コピー/結合ソリューションを紹介する。

事例 INFINIDAT JAPAN合同会社

従来ストレージの約8倍の容量を確保、エルテックスが採用したストレージとは

ECと通販システムを統合したパッケージの開発と導入を事業の柱とするエルテックスでは、事業の成長に伴いデータの容量を拡大する必要に迫られていた。そこでストレージを刷新してコスト削減や可用性の向上などさまざまな成果を得たという。

市場調査・トレンド プリサイスリー・ソフトウェア株式会社

クラウド統合を見据えたメインフレームのモダナイズ、3つの手法はどれが最適?

長年にわたり強力かつ安全な基盤であり続けてきたメインフレームシステム。しかし今では、クラウド戦略におけるボトルネックとなりつつある。ボトルネックの解消に向け、メインフレームを段階的にモダナイズするアプローチを解説する。

郢晏生ホヲ郢敖€郢晢スシ郢ァ�ウ郢晢スウ郢晢ソスホヲ郢晢ソスPR

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news025.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。

news014.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news046.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。