この記事では2回に分けてオブジェクトストレージの特徴とメリットを解説する。前編では、階層構造で管理する従来のファイルシステムと比較したオブジェクトストレージのファイル管理方法を説明し、従来型のファイルシステムとオブジェクトファイルシステムを比較したファイル管理手法の違いと、その違いに起因するそれぞれのメリットとデメリットを表にまとめて紹介している。
ストレージが利用可能な状態を維持しながらデータ保護を確保することは、IT担当者にとって最も重要な任務の1つだ。
この任務を達成するために、ストレージ担当者はRAIDアレイとバックアップシステムを導入する。RAIDはハードウェア障害からデータを守るのに役立つが、RAIDでは不十分な場合や、RAIDでは保護できない災害が発生した場合には、バックアップシステムとリカバリーシステムが介入することになる。
一般的にオブジェクトストレージアーキテクチャには、ハードウェア障害や災害からデータを守るためのデータ保護手法が1つ以上組み込まれている。必ずしも全ての企業に当てはまるわけではないが、オブジェクトストレージを利用すると、サードパーティーのバックアップソフトウェアや復旧ソフトウェアが不要になる可能性がある。このような方法は幾つか存在する。
これは従来のRAID実装に比べてやや複雑だ。ただし、その複雑さを管理者から見えなくして、全体的によりシンプルな環境に見せることを狙いとしている。
イレージャーコーディングでは、まず多数のパリティセグメントをデータブロックに追加する。そして、これらのパリティセグメントをさまざまな場所に分配することで機能する。例えば、ストレージシステムで10台+6台のドライブによるイレージャーコーディング手法を採用しているとしよう。パリティブロックは16台のドライブに分散する。だが、これらのドライブのうち、10台を利用可能な状態で維持していれば、継続的にデータを取得できる。つまり、任意の6台のドライブについては障害が発生しても構わない。10台のドライブが動作している限り、システムの稼働状態は維持できる。
1台のドライブに障害が発生した場合、そのドライブを交換すると消失したデータブロックは稼働状態を維持している10台のドライブから再構築する。この仕組みによって、RAIDと比べて短時間でデータを復旧できる。大容量ドライブほどこの効果は顕著だ。
迅速にデータを再構築できるだけでなく、イレージャーコーディングは容量のオーバーヘッドに関しても効果的だ。また、従来型のファイルベースやブロックベースのストレージでも使用できる。ただし、イレージャーコーディングは複雑で集中的なコンピュータ処理が必要なプロセスであるため、これらのストレージで実装することはほとんどない。
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