汎用サーバに実装
仮想マシンでネットワーク機能を実現する「NFV」の3つの利点とは?
ネットワークデバイスの機能を汎用サーバで実現する「NFV」は、企業にどのような恩恵をもたらすのだろうか。主要な3つの利点を解説する。
ルーティングや負荷分散といったネットワーク機能は、専用のネットワークデバイスで提供するのが一般的だった。これに対して「NFV」(ネットワーク機能仮想化)が目指すのは、汎用(はんよう)サーバに構築した仮想環境に、ネットワーク機能を実装することだ。
NFVの3つの利点
NFVに高い関心を示すのは通信会社などの事業者だが、一般的な企業もNFVの恩恵を受けることができる。NFVの主要な3つの利点は、以下の通りだ。
- 専用のネットワークデバイスではなく汎用サーバを利用可能
- 1台のデバイスに複数のネットワーク機能を搭載
- 柔軟なプロビジョニング(配備)
それぞれの利点を詳しく説明しよう。
1.専用のネットワークデバイスではなく汎用サーバを利用可能
NFVを具現化する中核技術である「VNF」(仮想ネットワーク機能)は、ソフトウェアとして実装されたネットワーク機能を指し、汎用サーバの仮想マシンとして動作する。ユーザー企業が選定したサーバでVNFを実現する方法もあるが、一般的にはベンダーが指定したサーバを使用する。ベンダー指定のサーバを使用すれば、動作環境が保証され、ベンダーのサポートが得られる。
2.1台のデバイスに複数のネットワーク機能を搭載
前述の通り、VNFは仮想マシンとして動作する。そのためサーバ仮想化によって1台のデバイスで複数のサーバが動作するのと同様、1台のデバイスに複数のネットワーク機能を実装できる。これはハードウェアのコストや設置スペース、消費電力の節約につながる。他のネットワークデバイスとの接続はVNFを実装したデバイス内で仮想的に実行されるため、従来のような物理的な配線作業を簡素化できる。
1台のサーバにネットワーク機能を複数実装するのとは反対に、ネットワーク機能を複数のサーバに分散させることもできる。これによる利点は、一時的に急増するネットワークの負荷を分散できる点にある。仮想マシンとしてネットワーク機能を実装するVNFにより、このような柔軟な運用が実現する。
3.柔軟なプロビジョニング
VNFはプロビジョニングとアップグレードのプロセスが極めて簡単だ。一般的にネットワークデバイスは、専用のファイルをダウンロードすることでアップグレードできる。VNFはさまざまな機能をソフトウェアとして実装するので、ハードウェアが備える機能への依存度を小さくできる。
NFVの利点は、通信事業者など大規模に実装する企業にとって特に大きくなる。一般的な企業でも導入規模が大きくなれば、その恩恵を享受できるだろう。NFVに取り組む際、NFV専用のシステムを必ずしも用意する必要はない。VNFを組み込んだブランチルーターを提供しているネットワークベンダーもある。既にそうしたネットワークデバイスを自社で導入している可能性がある。
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