製造業がクラウドERPではなく「オンプレミスERP」を選ばざるを得ない理由製造業が「オンプレミスERP」を選ぶ理由【前編】

デジタルマニュファクチャリングの実現にはクラウドERPの活用が鍵となる。しかし全ての製造業に当てはまるわけではない。オンプレミスのERP製品を選ぶしか手段がない場合もある。

2019年07月11日 05時00分 公開
[Beth StackpoleTechTarget]

関連キーワード

ERP | クラウドERP | クラウドサービス


画像

 クラウドサービスは大流行している。ERP(統合業務)製品も従来のオンプレミスモデルから、クラウドサービスへと着実にシフトしている。だが大半の製造業者の間では、オンプレミスのERP製品と、ERP製品の機能をクラウドサービスとして利用できる「クラウドERP」との比較論争に決着がついたとは言い難い。

 迅速なサービス提供、簡単なメンテナンス、規定の月額料金など、クラウドサービスのメリットは広く認められている。それでも、クラウドERPが単純に全ての製造業者に最適というわけではない。特に、規制の厳しい業界に属していたり、管理やカスタマイズの能力を維持し続けたいと考えていたりする製造業者にとっては適切とはいえない。

 製造工程をデジタル化する「デジタルマニュファクチャリング」を大きく推進する大規模企業の間では、特にクラウドERPが勢いを増しているのは間違いない。調査会社Gartnerによれば、大企業におけるERPシステムの新規導入事例のうち、少なくとも35%がSaaS(Software as a Service)つまりクラウドERPを利用し、オンプレミスの製造実行システム(MES)と疎結合させる計画だという。

 オンプレミスERPとクラウドERPを比較検討する企業は、当面、自社のオンプレミスERPシステムを全て維持することに決めている場合が少なくない。主な理由として、自社のERPシステムが複雑なこと、自社独特のカスタマイズが必要なこと、クラウドERPが現実には必ずしも約束通りすぐに使えるものではないことなどが挙げられている。

クラウドに価値を見いだせないオンプレミスERPユーザー

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news026.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年4月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...

news130.jpg

Cookieを超える「マルチリターゲティング」 広告効果に及ぼす影響は?
Cookieレスの課題解決の鍵となる「マルチリターゲティング」を題材に、AI技術によるROI向...

news040.png

「マーケティングオートメーション」 国内売れ筋TOP10(2025年4月)
今週は、マーケティングオートメーション(MA)ツールの売れ筋TOP10を紹介します。