クラウドERPから「オンプレミスERP」に戻してしまった、ある製造業の決断製造業が「オンプレミスERP」を選ぶ理由【後編】

板金加工企業のDalsin IndustriesはクラウドERPへの移行を検討したが、自社のニーズにクラウドは時期尚早だったと判断して、従来のオンプレミスシステムに戻してしまった。決断に至った決定的な理由は何か。

2019年07月18日 05時00分 公開
[Beth StackpoleTechTarget]

関連キーワード

ERP | クラウドERP | クラウドサービス


画像

 これまでクラウド導入の大きな阻害要因だったセキュリティと規制の制約は、ERP(統合業務)製品の機能をクラウドサービスとして利用できる「クラウドERP」を避ける理由にはならなくなってきている。「クラウドサービスのセキュリティが、プライベートデータセンターで実現できるセキュリティよりも強力だ」という考えが、企業の間で広がっているのだ。

 クラウドERPのベンダーも、企業が規制の指示に準拠した状態を維持できるよう、マルチテナント形式の通常のSaaS(Software as a Service)とは異なる選択肢を用意するようになっている。プライベートクラウドやホスティングといったオプションがその例だ。

 リスクを増やさないためには、オンプレミスERPとクラウドERPのメリットとデメリットを、具体的なビジネス要件と照らし合わせて検討することが不可欠となる。単に評判に引きずられて、ビジネスニーズに合わないにもかかわらず、クラウドERPへ移行してしまうのはあまりにも安易だ。

 板金製作の委託製造業者であるDalsin Industriesは、数年前にクラウドERPへの移行を決めたとき、身をもってこの教訓を得た――そう話すのは同社ITビジネスアナリストのジェフ・ダルシン氏だ。同社はEpicor SoftwareのオンプレミスERPから、Plex SystemsのクラウドERPへ移行した。その主な理由は、クラウドERPが「光り輝く目標」に見えたことだったとダルシン氏は話す。

クラウドERPは「時期尚早」だった

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...