ERP製品の購入を検討するに当たっては、SaaS ERPと従来型のオンプレミスERPの違いを理解しておくことが重要だ。機能や特性など、両者を大きく分ける7つの観点で比較し、できることとできないことを理解しよう。
ERPはモジュール型のソフトウェアシステムだ。金融、人事、CRM(顧客関係管理)など、中核となるビジネス機能のデータを連携させ、企業活動の運用効率を向上させる。ERPシステムはその重要性と複雑さから、導入するのはリスクが非常に高く、難しいとされる。そのため、ERP製品の購入を検討する際はクラウドERP、オンプレミスERP、ハイブリッドERPに関する疑問の解決が不可欠になる。誇大広告に釣られたり、最も人気がある製品を選んだりするのではなく、自社の戦略に求められるものを重視する必要がある。
今日のERPシステムは幾つか異なる方法で構成されている。最新のERPシステムは、リソースプランニング以外の機能も含めるかたちで従来のシステムを拡張する。かつては特定の業務をサポートするモノリシックシステムと見なされていたERPシステムは、今やスタンドアロンコンポーネントの集合体、統合済みのコンポーネントの集合体、またはその両方の組み合わせとなり、ビジネスの特定の側面を管理するのに役立っている。
ERPには「オンプレミスの従来型」「クラウド」「オンプレミスとクラウドのハイブリッド型」という3つの主要な導入モデルがある。クラウドERPは分類上、完全にライセンスが許可されるERPソフトウェアをクラウドインフラでホスティングするものと定義される。だが昨今の「クラウドERP」は、SaaS(Software as a Service)ERPと呼ばれるクラウドアプリケーションのサブセットを意味することが多い。SaaS ERPとは、プロバイダーがオフサイトのクラウドで所有/ホストするソフトウェアを指し、使用量などに応じて課金される。つまり、SaaS ERPとはクラウドコンピューティングモデルの一種だ。だが、全てのクラウドERPが必ずしもSaaSというわけではない。
SaaSは人気が高まっているモデルだ。だが、従来型のオンプレミスモデルとは対極にあるため、クラウドERPとオンプレミスERPの違いを考えるに当たってはまずSaaS ERPの幾つかの側面を理解すると役に立つ。
ここからは、クラウドとオンプレミスのどちらのERPシステムを選ぶか判断する際に考慮すべき7つの事項を取り上げる。
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