オープンソースの分散ストレージソフトウェア「Ceph」が自社に適しているかどうかを判断するには、何を知っておく必要があるだろうか。他の類似のソフトウェアとCephを比較し、その特徴を明確にする。
オープンソースの分散ストレージソフトウェア「Ceph」は、オブジェクトストレージを実現するストレージソフトウェアの選択肢の中で人気が高い。スケーラビリティの高さなど、Cephを利用するメリットは複数ある。
Cephによって実現できる機能と同じ機能を備えるストレージソフトウェアは他にもある。Cephを使うメリットの一つは、同じ機能でも従来のSAN(ストレージエリアネットワーク)よりも安価に済む可能性がある点だ。Cephはオープンソースであるため、高額になることが一般的な専用ハードウェアに依存することなく、汎用(はんよう)的なハードウェアで利用できる利点がある。
スケーラビリティと構成変更のしやすさがCephの2つのメリットだ。ノード(サーバやストレージ)を追加すればシステム容量を増やすことができる。Cephはオブジェクトストレージ、ブロックストレージ、ファイルストレージという3つのストレージインタフェースを利用できるようにしている。
Cephのデメリットは、I/O処理時間を高速化するためのストレージネットワークが高価になる可能性がある点だ。オープンソースだからといって、Cephの利用が完全に無料で済むわけでもない。重要なデータの保存にCephを使用する場合、Red HatやSUSE Linuxが提供する商用ディストリビューションを利用することになる可能性が高い。商用ディストリビューションには有料ベンダーサポートが含まれることがあるためだ。ただ、それを考慮してもCephは従来のSANの現実的な代替手段として比較的安価に導入できるといえる。
本連載では、Cephに関する疑問に答える。例えば下記のような疑問がある。
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