マルチクラウドのメリットは、その時点でコストや性能、機能などが最も適したクラウドでアプリケーションやワークロードを運用できることだとされている。あるクラウドの運用が採算に合わなくなったらそれを閉鎖して、最低限の手間と労力で他社のクラウドに乗り換えられる自由があるという想定だ。
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少なくとも理論上は、それがマルチクラウドのあるべき姿だ。だが実情は全く異なっているのが現実だ。企業は、技術をうまく組み合わせる最善の方法を見つけ出そうとして苦慮している。
「プラットフォームが多いほど複雑性は増し、管理レベルで抱え込む課題が大きくなる」。ITサービスコンサルタント会社SoftwareONEの英国担当サービスディレクター、アレックス・ダルグリッシュ氏はそう解説する。
オープンソースソフトウェア企業Canonicalの製品担当ディレクター、スティーブン・フェーベル氏も同じ考えで、マルチクラウドの管理に伴う複雑性を不快に思う企業もあるかもしれないと話す。
「マルチクラウドの採用をためらう最大の原因は、複数ベンダーのクラウドプラットフォーム導入に伴う複雑性、特に生産性やイノベーションを妨げない形で組み合わせる場合の複雑性にある」
しかもエンドユーザーの関心が高まっているにもかかわらず、マルチクラウドという導入モデルは、パブリッククラウドを手掛ける業者でさえも進んで認めたがらない、あるいはリップサービスさえしたがらないのが現実だ。
Googleだけは例外的に、Amazon Web Services(AWS)のサービスを既に大規模導入している企業がどれほどGoogleのオフプレミス技術を採用しているかについて、数年前から公に語ってきた。
AWSにとって、AWSのサービスで全て完結できると宣言する顧客をもっと増やそうとする取り組みにマルチクラウドはそぐわない。Microsoftも同じような考えと思われるが、一方でマルチクラウドは一部の組織にとって比較的短期的な戦略になるかもしれないと考えている。
Microsoftのクロスドメインソリューションアーキテクト、ジョン・M・クラーク氏は2018年10月、ブログに次のように記した。
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