アナログのPBXをVoIPに切り替える際、通話品質やセキュリティを確保するためには入念な計画が必要だ。具体的な移行の方法や、注意すべき点を解説する。
アナログのPBX(構内交換機)からVoIP(Voice over IP)ベースの電話システムに移行する際、注意すべき点がある。音声トラフィックが通る社内LANの準備や通話データを守るためのセキュリティポリシーの設定など、計画に盛り込むべき事項は少なくない。
PBXを全面的に刷新するにしても、段階的に移行するにしても、VoIP化に備えて音声通話のサービス品質(QoS)やセキュリティを維持する方法を知っておく必要がある。
VoIPベースの電話システムに移行する際、ITインフラで検討しなければならないことが幾つかある。最も重要なのは、公衆交換電話網(PSTN)への接続だ。社外への通話はPSTNに接続する必要がある。音声トラフィックをPSTNと社内LAN間で変換するために必要になるのがVoIPゲートウェイだ。通信事業者などが提供するSIP(セッション開始プロトコル)トランキングサービスによって、PSTNに接続する方法もある。
VoIP用のLANも準備しなければならない。データ伝送が遅延して音声が途切れるのを防ぐためだ。この際、IT部門はLANの中で輻輳(ふくそう)が生じそうな箇所を洗い出す必要がある。サービス品質のポリシーを策定し、音声データを確実に優先するようにネットワーク機器の設定を確認することも必要だ。
電話機やソフトフォンなどエンドポイントの設定にも配慮する必要がある。電話機の設置で注意すべき点は電源確保の問題だ。ほとんどのIP電話機は、アナログの電話機のように電話網からの電源が供給されず、LANケーブルで電力を供給するPoE(Power over Ethernet)のような技術を必要とする。ソフトフォンを導入する場合は、無線LANアクセスポイントで音声トラフィックを確実に優先させ、十分な電波の到達範囲を確保するよう死角や障害物を避ける必要がある。
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