VoIPアプリケーションにとって、5Gは4Gなど従来の移動体通信システムと比べて顕著なメリットがある。5Gによるネットワーク容量の増大とレイテンシの低減により、VoIPアプリケーションの体験がどう向上するのか。
「5G」(第5世代移動体通信システム)より前の世代の移動体通信技術は、音声をデジタル化してTCP/IPネットワークで送受信する技術「VoIP」(Voice over IP)を基にしたアプリケーションや、それに関連する「ユニファイドコミュニケーション」(UC:複数のコミュニケーション手段の統合)アプリケーションでの利用は限られていた。だが5Gでは異なる展開になりそうだ。
「4G」(第4世代移動体通信システム)と5Gは技術的基盤が異なり、5Gならではのメリットも豊富だ。例えばVoIPアプリケーションは、あるエリア内で携帯電話通信網に接続するデバイスが多過ぎると問題が発生する。4Gが対処できるデバイス密度は、1平方キロ当たり10万台にとどまるが、5Gは100万台と格段に大きい。
5Gはカバーエリアが狭い「スモールセル」と呼ぶ小型基地局を多数使用して、こうした高密度化を実現する。「IEEE 802.11ac」「IEEE 802.11ax」といった無線LAN規格が既に採用している技術の一部も使用する。その中にはパフォーマンスを高める「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)や「ビームフォーミング」が含まれる。MIMOは複数のアンテナを利用し、送信データを複数の信号(空間ストリーム)に分割して同時伝送する技術。ビームフォーミングは複数のアンテナから出る電波の位相(周期的な変動の中のある局面)や電力を調整して、通信相手がいる方向に最も強く電波が届くようにする技術だ。
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