「5G」があれば無線LANは不要か? VoIP用のネットワークを再考するコストは要注意

VoIPアプリケーションにとって、5Gは4Gなど従来の移動体通信システムと比べて顕著なメリットがある。5Gによるネットワーク容量の増大とレイテンシの低減により、VoIPアプリケーションの体験がどう向上するのか。

2019年12月22日 08時30分 公開
[Chris KanaracusTechTarget]

関連キーワード

VoIP | Wi-Fi


 「5G」(第5世代移動体通信システム)より前の世代の移動体通信技術は、音声をデジタル化してTCP/IPネットワークで送受信する技術「VoIP」(Voice over IP)を基にしたアプリケーションや、それに関連する「ユニファイドコミュニケーション」(UC:複数のコミュニケーション手段の統合)アプリケーションでの利用は限られていた。だが5Gでは異なる展開になりそうだ。

 「4G」(第4世代移動体通信システム)と5Gは技術的基盤が異なり、5Gならではのメリットも豊富だ。例えばVoIPアプリケーションは、あるエリア内で携帯電話通信網に接続するデバイスが多過ぎると問題が発生する。4Gが対処できるデバイス密度は、1平方キロ当たり10万台にとどまるが、5Gは100万台と格段に大きい。

 5Gはカバーエリアが狭い「スモールセル」と呼ぶ小型基地局を多数使用して、こうした高密度化を実現する。「IEEE 802.11ac」「IEEE 802.11ax」といった無線LAN規格が既に採用している技術の一部も使用する。その中にはパフォーマンスを高める「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)や「ビームフォーミング」が含まれる。MIMOは複数のアンテナを利用し、送信データを複数の信号(空間ストリーム)に分割して同時伝送する技術。ビームフォーミングは複数のアンテナから出る電波の位相(周期的な変動の中のある局面)や電力を調整して、通信相手がいる方向に最も強く電波が届くようにする技術だ。

「5G」さえあればよい?

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...