「プロセスマイニング」ツール導入を経営陣に納得してもらうコツは?「プロセスマイニング」の生みの親・アールスト氏に聞く【後編】

「プロセスマイニング」とAI技術の関係とは。プロセスマイニングツールの導入をスムーズに進めるには。これらの疑問に、プロセスマイニングの第一人者、ウィル・ファン・デル・アールスト氏が答える。

2020年03月06日 05時00分 公開
[George LawtonTechTarget]

 「プロセスマイニング」とは、業務システムから取得したイベントログを基に、業務プロセスを分析して改善する手法のことだ。前編「『プロセスマイニング』とは ワークフロー製品への“失望”で導入が進む?」に引き続き、プロセスマイニングの第一人者であるウィル・ファン・デル・アールスト氏に話を聞く。

 企業は自社の事業や社内業務に関する理解を深めるために、クラウドや人工知能(AI)技術を用いたデータマイニングなどの多様な分析手法を使用し始めている。アールスト氏は、こうした従来の分析手法は「必ずしもプロセスマイニングと関係があるとは限らない」と説明する。プロセスモデルとイベントログという要素がないことが、その理由だ。例えばディープラーニング(深層学習)を駆使しても、業務プロセスの検出や評価はできない。

 「機械学習」のような言葉を使って、数十年前から存在する「ビジネスインテリジェンス」(BI)ツールを再ブランド化しているベンダーは少なくないとアールスト氏は考えている。こうしたBIツールに期待すると、無効な投資を生む恐れがある。

 プロセスマイニングとは別物であるものの、データマイニングと機械学習はプロセスマイニングに組み合わせることはできる。これにより業務プロセスの検出後に、追加調査が必要なボトルネックや問題を特定できる可能性がある。例えば遅延が発生する理由を特定したり、通常の業務プロセスからの逸脱が起こりそうな時点を予測したりすることができる。

 アールスト氏は、業務フロー図を用いて分析する従来の「ビジネスプロセスモデリング」と、業務で発生するイベントログを用いるプロセスマイニングが、いずれは一つになると予想している。ビジネスプロセスモデリングツールで表記した業務フローと、プロセスマイニングツールを使用して生成した業務プロセスの間には、依然溝がある。同氏は、これらの溝を埋めようとするベンダーの努力により、プロセスマイニングが幅広い業界の企業にとって有用になると考えている。

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