“赤ペン書き込み”で患者の訴えをくみ取る「オンライン診療ポケットドクター」オンライン診療サービス3種を比較【オンライン診療ポケットドクター編】

オプティムとMRTによる「オンライン診療ポケットドクター」は、患者・医師間の認識の齟齬を軽減する機能や、血圧計などのヘルスケア機器との連携に強みを持つオンライン診療サービスだ。その機能と特徴を説明する。

2020年04月06日 05時00分 公開
[上田 奈々絵TechTargetジャパン]

 PCやスマートフォンといった情報通信機器を利用して、医師が患者を遠隔かつリアルタイムで診察・診断する「オンライン診療」。その実現を支援するサービスが登場し始めた。一般的なオンライン診療サービスは、医療機関用のアプリケーションと患者用アプリケーションで構成されている。テレビ電話機能や予約機能など診療に必要な各種機能を備える(図)。

画像 図 オンライン診療の仕組み《クリックで拡大》

 医療機関がオンライン診療サービスを導入することで、患者が医療機関に足を運んだり、長い待ち時間を過ごしたりする負担を減らすだけでなく、待合室の混雑ピーク緩和にもつながる可能性がある。医師にとっては、通院が困難な患者にも医療を提供できる他、医療機関ではなく普段過ごしている環境にいる患者を診察できるメリットがある。

 本連載は主要な3つのオンライン診療サービスを取り上げ、サービスごとの特徴を説明する。第1回となる今回は、オプティムとMRTが提供する「オンライン診療ポケットドクター」について解説する。

製品の主な機能

 オンライン診療ポケットドクターは一般的なオンライン診療サービスと同様に医療機関用アプリケーションと患者用アプリケーションを用意しており、それぞれPCとスマートフォンで利用できる。医療機関用アプリケーションと患者向けアプリケーションの主要機能は、それぞれ次の通りだ。

  • 医療機関用アプリケーション
    • 患者の予約状況と予約可能枠の管理
    • ビデオ通話
    • 処方箋や医薬品の配送管理
  • 患者向けアプリケーション
    • オンライン診療の予約
    • ビデオ通話
    • 医療費の決済
    • ヘルスケア機器とのデータ連携(注1)

※注1:Appleの「ヘルスケア」またはオムロンの「OMRON connect」といったモバイルアプリケーションと連携可能な機器が対象。

 保険診療としてオンライン診療を実施する場合は、診療報酬の算定要件を満たすために、原則として初診は対面診療でなければならない。オンライン診療ポケットドクターを導入してオンライン診療を開始する前には、医師が「ポケドクナンバー」という予約番号を発行し、患者に通知する。患者はポケドクナンバーをアプリケーションに入力することで、オンライン診療の予約が可能になる。医師は診療予約の入った時間に合わせて、医療機関向けアプリケーションを使い患者にテレビ電話をかけるという流れだ。

 オンライン診療ポケットドクターはテレビ電話による診療機能の他、処方箋の発送と医薬品の配送作業を管理する機能などを備える。医師はこの機能を利用することで、オンライン診療で発行した処方箋や院内処方した医薬品の情報、その配送状況を確認できる。オンライン診療ポケットドクターの医療機関向け/患者向けアプリケーションはオプティムが開発し、サービスはMRTが運営している。

画像 写真 医師用アプリケーションから赤ペン記入モードで書き込んだときの様子《クリックで拡大》

製品の特徴:画面への書き込み機能やヘルスケア機器との連携

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